生活支援員として、現場一筋15年の私の悩み、聞いて下さい。
- 次の活動まで、あと15分…何かできないかな?
- 何もしないで待つ時間が苦手なご利用者さんが多い
- 活動の時間割は決まっていて、早めることもできない
皆さんも、個別対応が難しい集団生活の場で、こうした“スキマ時間”に何をしたら良いかと悩んでしまうこと、ありませんか?
そこで今回は「学びは生きる力になる」をテーマに、まなレク(学び✕レクリエーションの造語)を企画・実践している私が、10分からできる「ミニまなレク(=学びを取り入れたレクリエーション)」の実例を紹介します。
【小学校の教員免許を活かして”まなレク”を実践している私のプロフィールはこちら】
ミニまなレクにおすすめのアイテムは「国語辞典」

私がよく使うのは、誰でも手に取れる【国語辞典】。
私物ではなく、いつでも使えるように施設の備品として置いておくのがおすすめです。
あったら便利!ホワイトボード
ホワイトボードが1つあるだけで、まなレクの幅はグッと広がります。
A4サイズの持ち運べるタイプでOK。100円ショップで手軽に手に入ります。
【その1】これは何のことでしょうか?辞書クイズ

国語辞典の説明をそのままクイズに変えてしまうアイデアです。
例:『えんぴつ』って何のことでしょう?
木の軸に、黒鉛の粉末と粘土を混ぜて焼き固めた芯を入れたもの…
これを読んで「何のことでしょう?」と問いかければ、自然と答えを考える“学びの時間”になります。
正解することよりも、「思いついたことを口に出してみる」ことに重きを置くのがポイント。
多様な発言が出て場も和みます。
【その2】辞書でしりとり!意味から始まる知的ゲーム

辞書を使えば、いつものしりとりがちょっとユニークに変身。
辞書は使い慣れていなくても、しりとりのルールはわかる、というご利用者さんが多いので、ルールの定着が早いのが魅力です。
最初のうちは、なかなかルールが定着せず、結局いつものしりとりになってしまった。ということもありましたが、そういうエピソードも楽しむのがまなレク継続のコツです。
進め方の例:
- ご利用者さんが言った言葉を辞書で調べる
- その説明の最後の言葉で次のしりとりを続ける
例:
- 「さむらい」→意味に出てきた最後の言葉「つ」
- 「つり」→説明の最後が「ん」だったので、アウト!
「ん」で終わる言葉でも辞書の内容次第ではセーフになる場合があり、
“勝敗が知識量に左右されにくい”のが面白いところです。
\ルール追加もあり!/
「辞書に載っていない言葉はアウト」など、自由にアレンジしてOK!
【その3】同音異義語を集めよう(やや上級編)

ちょっとチャレンジしてみたい時は、「同音異義語集め」がぴったりです。
例:「ようせい」には何種類ある?
- 要請
- 養成
- 陽性
- 妖精
- 幼生 …など
1つの単語から複数の意味を探してポイントにする、というルールにするとゲーム性が増します。
※個人差が出やすい内容なので、
チーム戦や全員で〇〇点以上を目指す「協力型」にアレンジするのがおすすめです。
前もって同音異義語について調べておきたい人には、こちらの記事がわかりやすくておすすめです👇️
👉️同音異義語の面白い豆知識【一覧と例文で解説】(記事作成代行屋)
国語辞典を選んだ理由と、ご利用者さんの反応
私がミニまなレクに辞書を使おうと思ったのは、あるご利用者さんが「辞書の使い方を知りたい」という要望を出してくれたことがきっかけです。
まなレクの内容を考えている時に、「辞書からクイズを出してみたら面白いかも」「同音異義語が多いなぁ」ということに気づきました。
実際に、ご利用者さん数名で辞書しりとりを始めたところ、「面白そう」と他のご利用者さんも加わって、あっという間に20分くらい過ぎていた、ということもあります。
まとめ|スキマ時間が価値ある時間に
- ご利用者さんの「待つのが苦手」に対応できる
- 国語辞典は手軽で奥深い学びのツール
- 難易度調整やルール変更で幅広く応用できる
生活介護事業所のような集団生活の場では、「次の活動までの15分」は意外と多く発生します。
そんな時、「〇〇やってみませんか?」と声をかけられる引き出しが1つあるだけで、支援の質が変わります。
国語辞典、ホワイトボード、ちょっとのアイデア。
これだけで、次の15分が“学びの時間”に変わりますよ!
【まなレク:実践】の記事をもっと読みたい人は、こちらの「まとめページ」から記事一覧をご覧ください。
この記事を書いている私のプロフィール
現場歴15年の現役生活支援員です。小学校第1種教員免許を持っていて、現在も月に10回ほどまなレクを企画・実践しています。
ご利用者さんからは、「ちょっと賢くなった気がする!」「答えるのが楽しい!」とご高評を頂いております。
私が大切にしているのは、ご利用者さんの「W:わかった!」「I:いいね!」「N:なぜ?」⇒『W・I・Nポイント』を引き出すこと。W・I・Nについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください👇️
コメント