「学びは生きる力になる」をテーマに、生活介護事業所で日々まなレクを実践している私。今回は、生活支援員としての視点から、“倒語(とうご)”という言葉あそびを紹介します。
実際にご利用者さんと一緒に取り組んだ体験を交えながら、「楽しく・主体的に参加できる工夫」をご紹介します。
「倒語って、むずかしそうじゃない?」
そんな心配はご無用です! 今回の活動では、倒語の意味を知らないご利用者さんも自然と参加できる工夫を盛り込んでいます。講師や支援員が主導するのではなく、ご利用者さんが言葉を出して、考えて、気づくことができる流れです。
【小学校の教員免許を活かして”まなレク”を実践している私のプロフィールはこちら】
倒語(とうご)って何?

たとえば「いか」を反対から読むと「かい」。このように、反対から読むと別の意味になる言葉を「倒語」と呼びます。
ちなみに「いかとかい」のように、反対から読んでも意味が通るものは「回文(かいぶん)」です。
倒語について詳しく知りたい方は、こちらの記事がとても参考になります👇️
👉️【倒語】面白い!反対から読むと別のモノになる言葉まとめ55選!(nazo2.net)
👉️反対から読むと違う意味になる『倒語・逆さ言葉』一覧(KOTONOHA ウェブ)
回文についてもリンクを貼っておきますので、気になる人が覗いてみて下さい👇️
👉️面白い回文56選! 短文・長文など長さ別におすすすめを一覧で紹介(マイナビニュース)
まなレクの流れ

1. 導入(準備運動)
まずは「2文字の言葉を挙げてください」と切り出します。たとえば、「いぬ」「さる」「かめ」など、身近で連想しやすい言葉を支援者が数個例示するとスムーズに始められます。
出た言葉はその場でホワイトボードに書き出し、15〜20個ほどを目指しましょう。
もし途中で詰まってしまったら、答えを出してあげたい気持ちをぐっと堪えて「部屋の中にあるもので何かありませんか?」と問いかけるのがオススメ。そうすることで主体性が生まれます。
そこから「この中に、反対から読むと別の意味になる言葉はありますか?」と問いかけてみます。
言葉が見つからない場合は、一つずつ読み上げながら確認するのもOK。ここで「倒語ってこういうことか!」と気づいてもらえれば、大成功です。
2. 発展(考える時間)
「いぬ→ぬい」のように倒語になったものを確認しながら、3文字や4文字にもチャレンジしていきます。「ぬりえ→えりぬ」など、意味がズレることで逆に盛り上がることも!
長くなると難易度が一気に上がるので「難しさを楽しむ」くらいの気持ちで進めると◎。
注意点として、「はは」「ちち」のように反対から読んでも同じ言葉は回文になります。「別の意味になるものが倒語」だと整理できるとよいですね。
これらはホワイトボードの隅に残しておいて、「回文をテーマにした”まなレク”」への伏線にするのもおすすめです。これで1テーマできるので、ネタ切れ対策にも役立ちますよ。
もし、まなレクのネタ探しについてお困りでしたら、こちらの記事はいかがでしょうか👇️
3. おしまいに(まとめ)
最後は、ご利用者さんから出なかった5文字以上の倒語を紹介して締めくくりましょう。支援者側でいくつか準備しておくとスムーズです。
例:
よいしれうらなうなかよいあのこ(酔いしれ占う 仲良いあの子)
↕
このあいよかなうならうれしいよ(この愛よ 叶うなら 嬉しいよ)
この活動の魅力は?

この活動は、以下のような支援ニーズにマッチします:
- 「言葉を増やしたい」「語彙を広げたい」
- 他者とのやりとりが苦手でも、参加できる“言葉のきっかけ”を探している
- 主体性を伸ばしたい
実際の現場での気づきや反応が多い活動なので、個別支援計画に言葉に関する支援目標がある場合は、取り入れてみる価値大です!
個別支援計画については、こちらの記事がわかりやすくておすすめです👇️
まとめ
- 倒語は、ご利用者さんが主体的に取り組める
- サポート次第で、どのご利用者さんにも参加しやすい活動になる
- 複数回やっても飽きにくい(ネタ切れへの対策になる)
難易度としては決してやさしくはありませんが、参加したご利用者さんからは「難しかったけど楽しかった!」と感想を聞かせてもらったり、まなレクが終わった翌日に「家で考えてきた!」と話しかけてくれるなど、主催者としてとても嬉しい反応が返ってくるまなレクでもあります。
【まなレク:実践】の記事をもっと読みたい人は、こちらの「まとめページ」から、記事一覧をご覧ください。
この記事を書いている私のプロフィール
現場歴15年の現役生活支援員です。小学校第1種教員免許を持っていて、現在も月に10回ほどまなレクを企画・実践しています。
ご利用者さんからは、「ちょっと賢くなった気がする!」「答えるのが楽しい!」とご高評を頂いております。
私が大切にしているのは、ご利用者さんの「W:わかった!」「I:いいね!」「N:なぜ?」⇒『W・I・Nポイント』を引き出すこと。W・I・Nについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください👇️
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