「同じ時間ご利用者さんと関わっているのに、どうしてあの人はあんなにご利用者さんの異変に気づけるんだろう」
これは、勤め始めて間もない頃の私の疑問です。特にベテランの支援員さんにそう思っていました。
ですが、生活支援員として15年の経験を積んだ今、新人の頃には持つことができなかった、たくさんの“気づきの種”を発見できるようになりました。
今回は、私がご利用者さんに声を掛ける時に見ているポイントをお伝えします。
【📌違和感に気づくのが得意な私のプロフィールはこちら】
声かけ時の”目線”を見る

これ、すごく些細な変化に思えるかもしれませんが、とても大事です。
普段はこちらを見て話してくれるご利用者さんならなおさらです。特に、こちらから声をかけた瞬間の反応を見逃さないようにしています。
「何か、気持ちが沈むことがあったのかな」
「知られたくないことがあるのかもしれない」
実際に、毎朝ニコニコと目を合わせてくださっていたご利用者さんが、ある日から急に視線を逸らすようになったことがありました。
担当している支援員に、それとなく確認してもらったところ「ご利用者さんのお母さんと私の仲が悪い」と勘違いしてしまったことが原因でした。
ご家族さんへの伝え方で迷うこともあるかもしれません。そういう時はこちらの記事が役に立つと思います👇️
服装の変化を見る
ご利用者さんの障害特性によっては、着るものに思い入れが強かったり、感覚に過敏がある関係で、同じ服を複数用意している人がいます。
でも、いつもなら違う服を着てくる方が、数日連続で同じシャツだった時は、状況を確認するようにしています。
上下まったく同じ服を2日連続で来てきたご利用者さんがいて、確認したところ、ご家族さんが病気で寝込んでいたことがわかり、緊急でショートステイに繋いだ経験があります。
なかなか本音で話せない、というご利用者さんもいますので、そういう時のテクニックを置いておきますね👇️
普段との違いを見る
”普段ならできていることができない時”も立ち止まるようにしています。
あるご利用者さんが、ある日から急に歯みがきを嫌がるようになりました。特に、右側の歯を磨こうとすると、口をギュッと閉じてしまうことが続きました。
「何かあったのかな?」
「もしかして、歯みがき支援の仕方が雑だった?」
最初はそんなふうに考えて、職員間で対応を共有しました。
後日、ご家族さんから、右側の奥歯に重度の虫歯が見つかったと連絡がありました。
違和感の“空振り”は悪いことじゃない
最初のうちは、「気のせいだったらどうしよう」「空振りだったら恥ずかしい」と思うかもしれません。経験が浅い時はなおさらです。
でも、空振りだったということは、“その時は問題がなかった”という証拠。
それだけで、大切な情報なんです。
現場では、“絶対の正解”があるわけじゃないんです。
だからこそ、「違和感を拾える感覚」はベテランになっても大切にしたいし、新人さんだからこそ気付ける違和感があると思っています。
「空振り」ではなく、「問題がなかった証拠」と、物事を別な視点で捉えることをリフレーミングといいます👇️
まとめ|「違和感」はチーム対応
最後にもう一つ。違和感を感じたら、ぜひ誰かに話してください。
その違和感が、他の支援員の気付きになるかもしれません。
新人でもベテランでも、気づいた人が声を上げることができれば、それだけで現場の“質”はぐんと上がります。
新人さんのうちは、気疲れすることも多いと思いますが、自分自身をしっかりいたわってあげてくださいね。
【新人さんのためのスタートブック(生活支援員向け)】の記事をもっと読みたい人は、こちらのまとめページから、記事一覧をご覧ください。
現場歴15年、生活介護事業所で働く現役の生活支援員です。
ケアマネージャー、介護福祉士、小学校第1種教員免許の資格を持っていて、特に専門用語を使わずにわかりやすく説明することが得意です。
新人さんや実習生の受け入れを担当した際には、「わからない人の視点でアドバイスをしてくれるのが助かる」と高評価を頂いています。
スキルアップだけでなく、セルフケアにも関心があり、同じ現場で働く仲間が、少しでも長くこの仕事を続けられるようにという思いを込めてブログを運営しています。
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