「なにかイベントをやってほしいです」
——そんな一言に、ドキッとしたことはありませんか?
生活介護事業所で働く支援員さんにとって、ご利用者さんが楽しみにしているイベントは、かけがえのない時間。でも、いざ企画するとなると悩みもつきものです。
- 企画が本当に楽しんでもらえるか不安
- 日々の業務と並行して準備するのが大変
- そもそも、アイデアが浮かんでこない!
この記事では、現場歴15年の私が実際に企画してきたイベントを【季節系】【外出系】【屋内系】の3ジャンルに分けて、合計15個どどんとご紹介。ネタ切れを防ぎたい支援員さん、必見です!
また、「ウォーキングが苦手」「見通しを持ちにくい」「集団での活動が不安」など、さまざまなご利用者さんの特性に応じた対応アイデアも別記事でまとめています。
ご興味のある方は、そちらも併せてご覧ください。
👉️ウォーキングが苦手なご利用者さんへの支援は、こんな方法で対策しよう!
👉️行動支援アプリ「ルーチンタイマー」でご利用者さんの見通しをサポート!
👉️「みんなで」は苦手。でも楽しみたい!集団が苦手なご利用者さんに届けたい日中活動5選
【生活支援員歴15年、失敗も成功もたくさん経験してきた私のプロフィールはこちら】
【季節系イベント】その季節にしか味わえない体験を!

書き初め大会
「新しい年のはじまり」を意識しやすく、盛り上がりやすいイベント。筆と墨を用意しても、絵の具と画用紙でもOK!仕上がった作品を発表したり掲示することで、達成感もUPします。
私の職場では、毎年恒例の行事になっています。文字ではなく、絵を描いてくれるご利用者さんもいますよ。
お花見
桜の咲く公園を散歩するだけで、季節を感じられる特別な時間に。おやつに桜餅を出せば、春の雰囲気がグッと増します。
近くに公園があるので、ご利用者さんと1対1でお散歩することもあります。あるご利用者さんは「満開の頃よりも、少し散りかけの頃が好き」と教えてくれました。
七夕
笹がなくてもOK。模造紙やイラストで代用可能。短冊づくりなど準備からご利用者さんと一緒に楽しめるイベントです。
文字がかけないご利用者さんの場合は、イラストや折り紙作品を飾っています。しっかりと気持ちが伝わりますよ。
デイキャンプ
夏は避けて秋に開催するのがベター。庭でのBBQや流しそうめん、クイズ大会など盛りだくさんに楽しめます。
お料理好きなご利用者さんがいるので、食材の準備を手伝ってもらっています。
忘年会
ピザやオードブルなど“いつもと違う”昼食が喜ばれます。午前はビンゴや出し物、午後はカラオケなど、メリハリある構成で1年を締めくくりましょう。
イベントの話し合い段階から、ご利用者さんと一緒に考えるようにしています。ご利用者さんも、やる気になってくれるので、支援の良い循環が生まれます。
【外出系イベント】「ちょっとのお出かけ」が大きな刺激に!

芸術鑑賞会
美術館や博物館は、非日常を感じられる場。静かな環境で感性を刺激できます。気に入れば、日中活動として定着も◎。
私の職場では、月に一回芸術鑑賞回の時間があります。多いときには10名ほどが参加してくれる人気のイベントです。
映画会
移動手段が限定されがちなご利用者さんにとっては、映画館に出かけるだけで、いつもと違う特別感を出すことができます。平日の昼間は空いていて快適ですよ。
「ランチと合わせて、優雅な時間を楽しむのが大好き」という声を聞かせてもらったことがあります。
お買い物&昼食
「ちょっと遠出してショッピングモールへ」「地元の有名店へランチに」など、小さな工夫で外出が立派なイベントに。
私の職場では、映画会と組み合わせて実施することが多いです。
低登山
体力があるご利用者さんには、運動系のイベントも人気。登山まではいかなくても、広めの公園でのウォーキングでもOK!
ウォーキングが苦手なご利用者さんへの支援は、こちらの記事がおすすめです👇️
👉️ウォーキングが苦手なご利用者さんへの支援は、こんな方法で対策しよう!
写真同好会
写真を撮るだけで終わらず、展示会やスライドショーにすれば参加者以外も楽しめます。お花見や外出と組み合わせても◎。
撮った写真をモチーフに、絵画の時間を企画するのも面白いですよ。
【屋内系イベント】アイデア次第で、屋内も“特別な日”になる!

Oリーグ(オセロ・リーグ)
勝敗や年間チャンピオン制を導入して、日々のオセロをイベントに昇格!小さな工夫が燃える展開に。
難しいルールを設定してしまい、全く定着しなかった年もありましたが、「今年のチャンピオン VS 去年のチャンピオン」という対戦をしたこともあります。
句会
俳句や言葉遊びを楽しむ句会は、五感や感性を使える活動。「まなレク」との相性も抜群です。
まなレクについて知りたい方はこちらのまとめ記事をご覧ください👇️
人生ゲーム大会
ボードゲームをまる1日楽しむ日。会話も自然に生まれ、脳トレにもなります。デジタルにはない面白さを追求したい時にオススメです。
脳トレの効果について深堀りしたい人は、こちらの記事が参考になりますよ👇️
👉️「脳トレ」って本当に効果あるの? 最新研究で真実が明らかに(SUTUDY HACKER)
レコード鑑賞会
アナログの音を楽しむ、趣味性の高いイベント。プレーヤーがなければ、CDでも雰囲気を演出して。知り合いにレコード好きがいれば、講師として来てもらうのもアリです。
レコードプレーヤーが用意できなくて、急きょ「ジャケットの鑑賞会」に切り替えた思い出があります(笑)
リサイクルデー
使わなくなった物を持ち寄って“誰かに使ってもらう”イベント。ものを大切にする心を育み、交流も生まれる、とってもエコな企画です。
本やCD、古着などが定番アイテムです。
【まとめ】
イベント企画で大切なのは、「特別なことを探す」よりも
“普段の活動をどう特別に見せるか”という視点の転換です。
少し工夫すれば、日々の何気ない時間が“楽しみな行事”に変わります。
ご利用者さんの笑顔を思い浮かべながら、無理なく、楽しめるイベントづくりを目指してみませんか?
【実践!こんなときどう支援する?】の記事をもっと読みたい人は、こちらの「まとめページ」から、記事一覧をご覧ください。
✏この記事を書いている私のプロフィール
現場歴15年の現役生活支援員で、介護福祉士の資格を持っています。
一人ひとりの話をじっくり聴くのが得意で、ご利用者さんの悩みを言語化したり、やさしく言い換えることに自信があります。
ありがたいことに、ご利用者さんやご家族さんから「説明がわかりやすい」「やる気を引き出すのが上手」と高評価を頂いています。
介護福祉士について、詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください👇️
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