生活介護事業所で行われるイベント。ご利用者さんが笑顔になれる貴重な時間なのはわかっているけれど、イベントの企画って大変ですよね。特に初めてイベントを企画するときは、不安や疑問もあるかもしれません。
- 企画したイベントが楽しんでもらえるか不安
- 仕事の合間に準備するのが大変
- そもそもアイデアが浮かんでこない
この記事では、私が実際に企画してきたイベントを「季節系」「外出系」「屋内系」の3つのジャンルに分け、それぞれ5つずつ合計15個ドドンとご紹介します。
この記事は
・始めてイベント企画を担当する職員さん
・アイデアをストックしておきたい生活支援員さん
・自分からもアイデアを提案したいご利用者さん
におすすめです。
⇒【関連記事】『生活介護事業所って何? 中の人がわかりやすく解説します』
季節系イベント
まずは、ご利用者さんに人気の「その季節にしか味わえない経験」を楽しんでもらう要素が強いイベントを5つご紹介します
書き初め大会
新年にふさわしいイベントです。ご利用者さんも「新しい年」を意識する人が多いので、思った以上に盛り上がります。
本来なら筆と半紙を用意し、毛筆用の筆と墨を使うのかもしれませんが、絵の具と絵筆を使って画用紙に書いても充分成立します。
経験上、両方用意して、ご利用者さんに選んでもらう方法がおすすめです。今年の抱負を書くのも良し、文字ではなく絵を描くのも良し、「年の初めの創作活動」を楽しんでみて下さい。
出来上がった作品は、その場で発表したり、掲示するのも良いですね。
お花見
季節系のイベント2つ目は、お花見です。
桜がきれいな公園に行き、のんびりと散歩をしたり、写真を撮ったりするのはいかがでしょうか。「そこに桜が咲いている」というだけで、いつもの散歩が季節のイベントに早変わりです。
送迎に関しては各施設のルールがあると思いますが、私の職場では、送迎の時にコースを変更して桜がきれい道を通るのも人気があります。
散歩から帰ってきて、おやつに桜餅を出すととても喜ばれますよ。
七夕
笹の葉に短冊を飾る、日本の年中行事の1つです。もし、笹の入手が難しい場合は、模造紙などに笹のイラストを書いて、短冊を貼り付けるスタイルでもOKです。
「七夕」という言葉は知っていても、その由来などを知らないご利用者さんもいるので、年中行事について学ぶ良い機会にもなります。
思った以上に細かい作業が多いので、手先の動作が得意だったり、飾りつけをするのが好きなご利用者さんを巻き込んで、準備の段階から楽しめるのもポイントです。
デイキャンプ
夏を楽しむ企画です。とは言え、最近は暑さが厳しいので、夏場を避けて10月頃に企画することが多いです。
施設の庭でバーベキューをしたり、カレーを作ったり、流しそうめんをしたこともあります。
食事の準備は大変な部分もありますが、あるご利用者さんから、「いつもの食事と違うものを食べるのが楽しい。」と感想を聞かせてもらうことができました。
食べることが大好きなご利用者さんの素敵な笑顔に出会えるチャンスです。
興味があるご利用者さんには料理を手伝ってもらい、施設内ではご利用者さんの出し物コーナーや、クイズ大会などを企画するのもおすすめです。
忘年会
5つ目は「忘年会」です。私の職場のご利用者さんだけかもしれませんが、ほとんど同じ内容でも「クリスマス会」より「忘年会」のほうが反応が良いです。
いつもより豪華なお昼ごはんを注文したり、ビンゴゲームなどを楽しんだり、思い切ってカラオケの機会をレンタルして、施設内をまるごとカラオケボックスにしてしまうのもいいですね。
私の場合、「午前中に、ビンゴゲームやクイズ大会などの出し物、午後からカラオケ大会」が鉄板のコースです。お昼ごはんは、ご利用者さんの年齢層にもよりますが、ピザやオードブルなど「いつものお弁当とは違う感じ」が出るものが人気です。
事前にしっかりと企画を練る必要があり、ある程度の予算が必要ですが、1年を締めくくるイベントを考えている場合におすすめです。
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外出系イベント
続いてご紹介するのは、外出系のイベントです。施設の規模やご利用者さんの特性などによって、全員で出かけるパターンや、有志で実施するパターンなど、柔軟に対応することができます。
芸術鑑賞会
1つめのおすすめのイベントは「芸術鑑賞会」です。イベントと聞くと大人数で盛り上がるものというイメージが先行するかもしれませんが、趣を変えて「静かなイベント」も良いものです。
実は私、日中活動として「芸術鑑賞」を強くおすすめしています。美術館や博物館など「非日常の空間」で芸術作品に触れることで、ご利用者さんにとって良い刺激になります。
もし、今まで美術館などに行ったことがない場合は、「芸術鑑賞会」という形で行ってみてはいかがでしょうか。もし「また行きたい」というご利用者さんが多ければ、定期的に実施する日中活動に発展していける可能性もありますよ。
映画会
日中活動として、施設内で映画鑑賞を実施している施設もあるかもしれません。そこから少し視点を変えて「映画鑑賞会」として映画館に行くのはいかがでしょう。
地域の特性などにもよりますが、平日の昼間であれば比較的空いているのでおすすめです。
お買い物&昼食
行く場所を工夫すれば、お買い物や昼食も立派な外出イベントになります。
「少し遠出して、普段行かないショッピングモールに行く」
「地元で有名なお店の〇〇を食べに行く」
など、いつもの行動に少しだけ付加価値を付けるのがポイントです。「いつもと違う」を意識すれば大丈夫なので、過度に豪華にする必要はありません。
低登山
これは意外に感じる人がいるかも知れません。ですが、低登山など「体力を使う系」のイベントもおすすめなんです。
生活介護事業所は、18歳から65歳まで(状況によってはそれ以上)の幅広い年齢層の人が利用しています。エネルギッシュで若い利用者さんが多い施設の場合、ある程度強度のある運動などが好まれることもあります。
近場に低登山が楽しめる場所がない場合は、少し遠出して普段行かない公園でウォーキングをするなどの方法もあります。
写真同好会
写真が好きなご利用者さんと一緒に、写真を撮るために出かけるのもおすすめのイベントです。
このイベントは「いかに特別感を出すか」がポイントです。
- 普段行かない場所に写真を撮りに行く
- 撮ってきた写真のコンクール&展示会を開く
- スライドショーを上映する
など、写真を撮りに行くだけではなく、付加価値をつけることで特別感が出ます。
特におすすめなのはスライドショーの上映です。そこまでを1つのイベントにしてしまうことで、写真を撮りに行かなかったご利用者さんも一緒に楽しむことができます。
低登山やお花見などと組み合わせるのも楽しいですよ。
屋内系イベント
最後に、屋内で楽しめるイベントを5つご紹介します。ぶっちゃけ「イベント感」を出すのが少し難しいんですが、そこさえクリアできれば一番実施しやすいとも言えます。
Oリーグ(オセロ・リーグ)
屋内系イベント、最初のおすすめはJリーグならぬOリーグ(オセロ・リーグ)です。
参加するご利用者さんが総当たり戦で戦い、年間チャンピオンを決める熱き戦い、それがOリーグです。
Jリーグのように勝ち負けの点数をつけたり、野球のクライマックスシリーズのようなしくみを導入するのも面白いです。普段の余暇活動も、視点を変えれば立派なイベントとして成立します。
句会
俳句や言葉遊びが好きなご利用者さんが多い場合は、句会を開いてみるのはいかがでしょうか。
短冊を用意できるとベストですが、画用紙を短冊のサイズに切って、黄色のペンで縁取りをするだけでも雰囲気が出ます。
あまり「俳句を詠まなければ」と思いすぎてしまうと面白くなくなってしまうので、それぞれの特性に応じた詠みかたで楽しむのがコツです。
もし、俳句が得意なご利用者さんがいたら、選者になって賞を選んでもらっても良いですね。
人生ゲーム大会
「人生ゲーム」に限らず、ボードゲームを楽しむ日を作ってみるのもおすすめです。
こちらはOリーグとは違い、1日ボードゲームを遊び尽くします。
- 複数名で遊べる
- 自然に会話しながら楽しめる
- 脳トレになる
など、ボードゲームには魅力やメリットがたくさんあります。
レコード鑑賞会
実施できる条件が厳しすぎるかもしれませんが、レコードプレーヤーを持っている人がいたら、「レコード鑑賞会」がおすすめです。
「レコード鑑賞が趣味の知り合いがいる!」という場合には、外部講師として来てもらい、レコードの魅力をたっぷり語ってもらう時間を作っても面白いかもしれません。
CDやタブレット端末で聴くのとは違った魅力があります。
リサイクルデー
本やCD、洋服やDVD、食器など「まだ使えるけど自分では使わないもの」を持ち寄り、必要な誰かに使ってもらう、エコロジーなイベントです。
店の名前を自分で決めて、ポスターなどを作ると雰囲気が出ます。
「喜んでもらいたい」という気持ちが先行しすぎて、このイベントのために品物を買って用意してしまうことがないよう、リサイクルがメインであることを周知するのが大切です。
職員さんを巻き込んで実施しやすいので、全体の交流の場としても活用できます。
まとめ
今回は「生活介護事業所で人気のイベント」というテーマで、私が実際に関わってきたものの中から厳選してご紹介しました。
- 季節系
- 外出系
- 屋内系
など、それぞれに良さがあります。大切なのは「特別なものを探す」のではなく、『どうすれば特別なものになるか』というとらえ方です。
少し視点を変えるだけで、普段やっている活動が特別感のあるイベントになります。皆さんが働く施設で、ご利用者さんの沢山の笑顔が見られますように。
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