生活介護事業所では、ご利用者さん一人ひとりのニーズに合った支援が日々展開されています。ある程度の集団生活であるがゆえに、スケジュール管理や行動面での支援についてはご本人さんだけでなくご家族さんからも、要望が高いジャンルなのではないでしょうか。
- 時間通りに行動できるようになりたい
- スケジュールに時間的な見通しがほしい
- 事前に決めた順番通りに行動できるようになりたい
そんなニーズに応えられる可能性を秘めているのが、今回ご紹介する「ルーチンタイマー」です。ご利用者さんの支援にはもちろん、アナタ自身のタスク管理にも役立つかもしれませんので、ぜひ最後まで読んでほしいです。
この記事は、
・ADHDのあるご利用者さんを担当している生活支援員さん
・支援者からの声かけ以外で行動できる方法を探している生活支援員さん
・自分自身もタスク管理に悩みを持っている生活支援員さん
におすすめです。
ルーチンタイマーとは
ルーチンとは、決まった動作を繰り返すことを言います。ルーチンタイマーは、動作や時間を設定し、そのとおりに1つ1つアナウンスしてくれるアプリです。
ご利用者さんの支援ツールとして活用することもありますし、私自身も利用することがありますので、おすすめポイントをしっかりレビューしていきます。
直感的に操作できる
ルーチンタイマーは、非常にシンプルな操作画面なのが特徴です。
アプリを立ち上げると、上部に「?」と「郵便箱」のマーク、画面右下に、オレンジで囲まれた「+」のマークがあります。
「+」のマークを押すことで、行動と時間を設定します。これがルーチンとして登録され。設定したルーチンは画面中央に表示されます。
これ以外に他には画面下部に広告が少しあるだけです。自分で入力する以外は文字情報がほとんどなく、直感的に操作できて編集しやすかったです。
視覚ではなく聴覚に訴えてくれる
一連の動作を1つのルーチンとして登録すると、後は再生ボタンを押すだけで登録されたルーチンがスタートします。
再生ボタンを押すと、「今から○分間、●●を始めて下さい」(○分経過)「今から×分間、△△を始めて下さい」といった具合に、登録した動作を読み上げてくれます
アラームを鳴らすだけなら携帯のスケジュール機能でも代用できるかもしれません。ですが、携帯の機能と違って、「次の行動を確認するために、その都度携帯の画面を確認しなくても良い」というのが大きなメリットの1つと言えるでしょう。
複数のルーチンが設定できる
ルーチンタイマーには、複数のルーチンが登録できます。
- 朝起きてから出勤するまで
- 帰ってきてから夕食まで
- 夜寝る前の1時間
私はこの3つのルーチンを作って利用しています。一度登録しておけば、ルーチンを選んで再生するだけだけなので、非常に簡単に使えるなという印象です。
ルーチンごとに自分の覚えやすいタイトルが付けられるので、ご利用者さんの支援に使う場合には、行動やイニシャルで用意にカテゴライズが可能です。
再生中に微調整ができる
ルーチンタイマーは、一度スタートすると最初から最後まで再生中の微調整が可能です。
対象の動作が予定より早く終わった(時間がかかった)、今日はその動作をしなくていい(午後から休みを取っているからお弁当作らなくて良い、など)という場合、ルーチンタイマーには一時停止やスキップの機能があるので比較的簡単に微調整ができます。
その都度登録し直す必要がないのは、大きなメリットであると言えるのではないでしょうか。
ルーチンタイマーにデメリットはあるの?
おすすめのルーチンタイマーですが、デメリットがまったくないわけではありません。
- 対応するデバイスを近くに置いておく必要がある
- 入力も含め、利用に慣れる必要がある
- 集中しすぎてしまうタイプの人は、アナウンスの音が聞き取れない場合がある
などが挙げられます。
2024.4.15現在、無料でダウンロードできるので、興味がある人はいちど試してみてはいかがでしょうか。
こんな人におすすめ!
続いて、ルーチンタイマーをおすすめしたい人をご紹介します。支援の現場で使うのはもちろん、ご自身のタスク管理にもぜひお役立てください。
『集中力が続かない人』
途中で気持ちがそれてしまいやすい人にとっては、残り時間や行動をアナウンスしてくれるので、自分で予定を確認することなく、次の行動に移るきっかけとして役立ちます。
もし、直ぐに行動が切り替えられない場合は、行動と行動の間に「気持ちの切り替え」という項目を1分くらい入れてみるのもおすすめです。
『集中しすぎてしまう人』
逆に、集中しすぎて時間を忘れてしまう人にとっても、外部からアナウンスをしてくれるので、次の行動に移りやすくなる効果が期待できます。
『新しい習慣を身につけたい人』
継続する習慣を身につけるのはなかなか難しいものです。ルーチンタイマーは、登録した予定をアナウンスしてくれるので、「まあいいか」を減らすことができる可能性があります。
『複数のご利用者さんを同時にケアする生活支援員さん』
生活支援員として働いていると、「Aさんに30分ほど個室で静養してもらい」「その間にBさんの見守り支援」「途中でCさんに水分補給のための声掛けをする」という複数のタスクを同時進行するケースも少なくなりません。
予定を登録しておけば、時間通りにアナウンスしてくれるルーチンタイマーは、生活支援員さん自身のリマインダーとしても活用できます。
まとめ
今回は、ご利用者さんの支援に活用できるアプリというテーマで、ルーチンタイマーのおすすめポイントやおすすめの人をご紹介しました。
- 直感的に操作できるので、慣れれば使いやすい
- 習慣づけやスケジュール管理に有効
- 生活支援員として、リマインダーとしても活用できる
ご利用者さんの気持ちの切り替えや、リマインダー、習慣化のきっかけなど、シンプルだからこそ汎用性の高いアプリだと感じています。
気持ちがそれてしまいやすかったり、自分の行動を思い出すことが苦手なご利用者さんの支援方法の1つとして、ぜひ活用してみてください。
コメント