日中活動を提供する生活支援員さん。ご利用者さんが日中、充実感を感じる時間って、とても大切ですよね。でも、実際にどんなアクティビティを用意したらいいか、迷ってしまうことってありませんか?
- 日中活動を考えるのがとにかく苦手
- 企画を担当することになったけど、全くアイデアが浮かばない
- 自分の施設以外の人と情報交換する機会が少ない
そんな悩みを解決する、生活介護事業所で人気のアクティビティをたっぷりとご紹介します。私自身、生活支援員として、ご利用者さんに提供するアクティビティに携わっています。「中の人の目線」で、これから先の日々が、より充実したものになるヒントを詰め込みました。
この記事は
・日中活動を考える参考にしたい生活支援員さん
・アイデア出しが苦手な職員さん
・新しい企画を考えたい生活支援員さん
におすすめです。
なぜ企画で悩んでしまうのか?
おすすめの活動を紹介する前に、「なぜ、日中活動の企画で悩んでしまうのか」という部分について考えていきましょう。ここをしっかりおさえておくことで、おすすめポイントがよりわかりやすくなります。
①ご利用者さんの層が広い
生活介護事業所は、18歳から65歳まで(場合によってはそれ以上)のご利用者さんが通う施設です。
また、身体障害や知的障害など、障害の種別によって、身体機能や判断能力に大きな差があります。受け入れるご利用者さんの層が広いことで、「誰に向けたどんな活動を提供するか」で迷ってしまうことがあります。
⇒【関連記事】『生活介護事業所って何? 中の人がわかりやすく解説します』
②アイデアを出すのが苦手
現場で働く生活支援員さんも人間です。得意不得意があって当たり前なんです。もし、「アイデアを出すのが苦手」という場合は、ご利用者さんを巻き込んで話し合ってみてはどうでしょうか。
例えば、「レクリエーション会議」という時間を作って話し合いをするだけでも、立派な日中活動として成立します。
もしかしたら、アナタの身の回りに、アイデアを出すのが好きな人がいるかも知れません。
③「みんなでやらなければ」と思い込んでしまう
もしかしたら、「日中活動 = 全体でやる活動」と思い込んでしまっていることで、アイデアが出しづらくなっているのかもしれません。
特別なイベントの場合は別な考え方をする必要があるかもしれませんが、日中活動の場合は「参加したい人だけ参加する」というスタンスで全く問題ありません。
最初は数人で始めた活動が、大きなムーブメントになることもあります。
⇒【関連記事】『障害がある人の楽しみを支える:生活介護事業所で人気イベントとは?』
おすすめの日中活動5選
ここからは私がおすすめする日中活動を5つご紹介します。ご利用者さんの向き不向きも併せて書いていくので、是非参考にしてみて下さい。
読書
1つ目は読書です。「じっくりと読書を楽しむプレミアムな時間を味わう」をコンセプトに、それぞれが読みたい本を読む時間はいかがでしょう。
本は各自で用意するのも良いですし、職員さんに声をかけて、読まなくなった本を譲ってもらうのもアリかもしれません。
読んだ本の感想を発表する機会を作るのも楽しいです。
「この活動が向いているご利用者さん」
- 本を読むのが好き
- 読んだ感想を誰かとシェアしたい
- 個人で活動するのが好き
「参加が苦手かもしれないご利用者さん」
- とにかく体を動かしていたい
- 文字を読むのが苦手
- 集団での活動が好き
音楽(演奏)
聴くのではなく、自分たちで演奏する音楽の時間もおすすめです。もし、「ギターが弾ける」「ピアノが弾ける」「ドラムができる」など、音楽のスキルを持った職員さんがいたら、大活躍できるチャンスです。
有志でバンドなどの音楽ユニットを作り、施設内でライブをやるというのはいかがでしょう?
「この活動が向いているご利用者さん」
- 音楽を演奏するのが好き
- 音に合わせて踊るのが好き
- 集団での活動が好き
「参加が苦手かもしれないご利用者さん」
- 苦手な音がある(聴覚に過敏がある)
- 静かに過ごしたいというニーズがある
- 集団での活動が得意ではない
映画鑑賞
続いては映画鑑賞です。DVDプレーヤーで映画を再生するのではなく、プロジェクターで大きく映すなどの工夫をすることで、「映画館で鑑賞しているような雰囲気」を演出することができます。
ご利用者さんと一緒に、見たい映画について意見を出し合う時間を作るという活動があっても良いですね。
「この活動が向いているご利用者さん」
- 映画(映像)を観るのが好き
- 長時間同じ活動をすることが得意
- 映画を見た感想などを誰かと共有したい
「参加が苦手かもしれないご利用者さん」
- 座っているより体を動かしている方が好き
- 暗い場所や大きな音が苦手
- 短時間の活動が得意
カラオケ
脳トレの要素や、意思疎通の練習になるなど、実施のメリットが思った以上に多い活動です。機材の準備などにある程度まとまったお金が必要ですが、幅広い層のご利用者さんが楽しめる活動です。
参加人数によっては待ち時間が長くなってしまうことがありますので、実施回数を増やして参加者の分散を図るなどの工夫が必要です。
「この活動が向いているご利用者さん」
- 歌うのが好き
- 待つことが苦手ではない
- 他の人が歌っている時に一緒に楽しめる
「参加が苦手かもしれないご利用者さん」
- 待つことが得意ではない
- 苦手な音がある(聴覚に過敏がある)
- 静かに過ごしたいというニーズがある
⇒【関連記事】『単なる娯楽じゃない! 生活介護事業所の日中活動で「カラオケ」がおすすめの理由5つ』
ボードゲーム/カードゲーム
ボードゲームやカードゲームと聞くと、聞き慣れないかもしれませんが、定義はそこまで重要ではないので省略します。将棋やトランプ、UNO、人生ゲーム、オセロなどを想像してもらえればOKです。
私の職場では、有志で集まったご利用者さんが、1年間かけて総当たり戦で戦う『オセロリーグ』を毎年開催しています。予選リーグを勝ち抜いた上位2名による決勝トーナメントでは、毎年白熱した試合が展開されています。
「この活動が向いているご利用者さん」
- ボードゲームやカードゲームが好き
- 人と関わることが好き
- 相手のペースに合わせることができる
「参加が苦手かもしれないご利用者さん」
- 勝ち負けにこだわりすぎてしまう
- ゲームのルールを覚えることが苦手
- 1人で活動したいというニーズがある
まとめ
今回は、生活介護事業所でオススメのアクティビティということで、オススメの日中活動を5つご紹介しました。
- 生活介護事業所のご利用者さんの年齢層は幅広い
- ご利用者さんと一緒に企画を考えるのもアリ
- 「みんなでやらなくては」と思い込まなくても大丈夫
日中活動は、ご利用者さん一人ひとりのニーズや特性に合わせて実施する支援です。「楽しい」と感じたり、「できた」という経験をしたり、リラックスできるなど、活動とニーズが噛み合った時の恩恵はとても大きいです。
生産活動や創作活動とのバランスを取りながら、素敵な日中活動を提案するきっかけになれば嬉しいです。
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