バリアフリーとユニバーサルデザインの違いは何?

バリアフリーとユニバーサルデザインの違いは何? 疑問・悩み

生活介護事業所で働く生活支援員の皆さん。今日は単刀直入に質問です。「バリアフリーとユニバーサルデザインの違い」わかりますか?

  • 同じだと思っていた
  • 何となくわかるけど、違いを説明するのは難しい
  • 言葉は聞いたことがあるけど、詳しくはわからない

支援の現場で質問され、答えに困ってしまった人もいるかもしれません。そこで今回は、バリアフリーとユニバーサルデザインの特徴や、両者の違いについてまとめていきます。

この記事は、

・バリアフリーとユニバーサルデザインの違いを知りたい人

・説明上手になりたい生活支援員さん

・新人の生活支援員さん

におすすめです。

バリアフリー

バリアフリーとは、車いすを利用している、視覚に障害がある、高齢であるなど、何らかの理由で生活に制限ある人が、建物や環境などの制約なしに、自立して活動できる状態を指します。

さまざまな人のニーズに合わせて、障害(バリア)を取り除いた状態(フリー)にするので、バリアフリーです。

例えば、車いすを利用している人が、建物に入りたいけれど入口に段差があって入れない、という状況があったとします。「建物に入りたい」がニーズ、「入口に段差がある」がバリアです。

このバリアを解消するために、スロープやエレベーターを設置するのがバリアフリーです。

また、聴覚に障害がある人が情報を得やすくするために、手話通訳や字幕を提供することもバリアフリーであると言えます。

ユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインは、国籍や年齢、性別、身体能力などに関係なく、できる限り多くの人が同じように使える製品を作ったり、環境を整えたりすることです。

例えば、車いすを利用している人や、ベビーカーを押している人、旅行カバンなど大きな荷物を持っている人が通りやすいように、入口を広く設計するのがユニバーサルデザインです。

他にも、タバコを吸ってはいけないスペースに「禁煙」という文字ではなく、「禁煙のマーク」を表示するのも、できるだけ多くの人に「パッと見てわかりやすく伝えている」という意味で、ユニバーサルデザインであると言えます。

共通点と違い

バリアフリーもユニバーサルデザインも、あらゆる人が暮らしやすい環境を整えるという意味では共通している部分があると言えます。

ここからは、バリアフリーとユニバーサルデザインの違いを3つご紹介します。

特定のニーズへの対応か、すべての人の利用を考慮した設計か

バリアフリーは、「車いすを利用している」「視覚に障害がある」「高齢である」など、特定の対象へのニーズに対応します。

それに対し、ユニバーサルデザインは「できるだけ多くの人が、同じように使える」ことを目的にしているという違いがあります。

「目に見えないバリア」への対応があるか

ユニバーサルデザインは、製品や環境など、基本的に「目に見えるもの」に対して、あらゆる人が使いやすいものを追求します。

それに対し、バリアフリーは「心のバリア」や「制度のバリア」など、目に見えないバリアを取り除くことも含まれます。

心のバリアとは、障害のある人や高齢の人への偏見(かわいそう、大変そう、と決めつけてしまう)や、優先席や点字ブロックの必要性を知らない、などが挙げられます。

制度のバリアとは、障害を理由に入試が受けられなかったり、介助犬を連れての入店を断られたりすることなどが挙げられます。

既存の環境や施設に対する対応か、あらかじめ考慮された設計か

既にある環境や制度、施設に対するバリアを取り除くのがバリアフリーなのに対し、あらゆる人の利用を想定して設計されるのがユニバーサルデザインです。

階段しかない駅の構内に、後から昇降機を取り付けるのがバリアフリー。

すべての人が利用しやすいように、最初から階段とスロープ両方ともある設計にするのがユニバーサルデザインです。

まとめ

今回は、バリアフリーとユニバーサルデザインの違いは何? というテーマで、それぞれの共通点や違いについてご紹介しました。

  • 暮らしやすい環境を作るという共通点がある
  • 既存のバリアへの対応か、幅広い
  • 「目に見えないバリア」も存在する

大切なことは、どちらが優れているかを決めたり、細かい分類を気にすることではなく、どちらも暮らしやすい世の中を作っていくのに必要な考え方であると理解することです。

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