生活支援員の皆さん、突然ですが質問です。「カームダウンスペース」について知っていますか?
- 初めて聞いた
- 知っているけど改めて学びたい
- 何となくわかった気がしているだけかもしれない
そんなみなさん、ぜひこの記事を最後まで読んで、カームダウンスペースとは何かについて知るきっかけにしてみてください。
この記事は
・現役の生活支援員さん
・カームダウンスペースについて知りたい人
におすすめです。
カームダウン? クールダウン?
カームダウンという言葉そのものを聞き慣れない方もいると思うので、まずは簡単にまとめてみたいと思います。
○○ダウン ⇒ 落ちつくための行動
という部分は共通しています。
カームダウン ⇒ 高ぶった気持ちを元の状態に戻す
クールダウン ⇒ 心拍数や体温を元の状態に戻す
これが違いです。より現場の雰囲気に即してまとめると、
・カームダウン ⇒ 感情面で落ち着くための行動
・クールダウン ⇒ 身体面で落ち着くための行動
という考え方で大丈夫です。
今回取り上げているのは「カームダウンスペース」なので、「感情面で落ち着くための空間」ということになります。
「隔離部屋」ではない
これは本当に声を大にして言いたいことの1つです。
カームダウンスペースは「隔離部屋」ではありません。外部からの刺激を軽減するために、結果的に1人になる必要があったとしても、職員都合で無理やり閉じ込める空間ではありません。
私が勤めている施設にも、感情が大きく高ぶり、自分ではコントロールができなくなってしまうご利用者さんがいます。
日常のちょっとしたストレスが蓄積し、それが自分の容量を超えてしまったときに、自分や他の人を傷つけてしまったり、衝動的に物を投げたり壊したりしてしまう行動が見られることがあります。
可能であればそうなる前に、「刺激の少ない空間」に移動して感情が抑えきれなくなることを未然に防ぐというのが、カームダウンスペースのベストな使い方ではないでしょうか。
決して「制御できなくなってから無理やり連れて行く隔離部屋」「静になるまで出られない反省部屋」
ではない、ということを伝えたいです。
決して特別なものではない
ちょっと唐突かもしれませんが、自分の話をしたいと思います。私は「自分だけの空間や自分だけの時間が必要な人間」です。
仕事中、そこまで行きたくけどトイレに行ったり、整理整頓を理由に現場から離れて倉庫の整理をしたり。皆さんにもそんな「マイカームダウンスペース」はありませんか?
カームダウンスペースのための空間づくり
カームダウンスペースとは、ざっくりいうと「落ち着つくための部屋」ですが、設置場所や広さなどに決まったルールはありません。
部屋を暗くしたり、あえて狭い空間を作ったり、防音材で囲んだり、カームダウンスペースを必要とする人のニーズに合わせて作っていきます。
どのスペースも対象となるご利用者さんの「刺激を減らす」ことを考えて作られているのが共通点だと考えてください。
カームダウンスペースを必要とするご利用者さんが
・光の刺激を減らしたいのか
・視覚的な情報量を減らしたいのか
・音の刺激を減らしたいのか
どのようなサポートを必要としているのかを知ることが大切です。
まとめ
・ひとりになりたい
・○○な刺激が苦手
など、これらは誰にでもある当たり前のことです。そういう意味で、カームダウンスペースは決して特別なものではないと考えることができるのではないでしょうか。
普段の何気ない会話や、ご利用者さんの行動パターンから、過ごしやすい空間づくりのアイデアが浮かぶ場合があります。
コメント