「特別支援学校を卒業したあと、生活介護事業所を利用したい。」そう考えている当事者さんやご家族さん、もう施設見学には行きましたか?
今回は、生活介護事業所で働く私が、施設見学をする時にチェックして欲しいポイントを職員目線でぶっちゃけます。
この記事は
・特別支援学校の卒業を控えた当事者さんやご家族さん
・今いる生活介護事業所を変えたいと思っている人
・特別支援学校の先生
におすすめです。
ある程度、障害者福祉に関する知識があるという前提で、前半は「生活介護事業所の施設見学について」、後半は「チェックするべきポイント」について書いています。
生活介護事業所って何?
施設見学でチェックすべきポイントを書く前に、生活介護事業所について簡単に説明します。
利用できる人の範囲など、もう少し細かい説明が必要なんですが、思い切り噛み砕いて説明するとこんな感じです。
上記の他にも、着替えや外出時のサポートなど、多くの支援を受けることになるので、相性の合う合わないは非常に大切です。
⇒【関連記事】『生活介護事業所って何? 中の人がわかりやすく解説します』
生活介護事業所を見学したい時は
まずは見学したい施設にアポイントを取りましょう。特別支援学校の生徒さんであれば、進路担当の先生や相談支援専門員を通じて連絡してもらうなどの方法がありますし、もちろん個人で連絡してもらっても大丈夫です。
お住まいの地域や、利用したい施設によってルールが決まっている場合があるので、それに沿って行動していただければ良いです。
見学する時の5つのチェックポイント
ここからは、生活介護事業所の施設見学でチェックするべきポイントについてご紹介します。
見学の仕組みなどはそれぞれの施設によりますが、一通り案内してもらう中で次の5つをチェックしてみて下さい。チェックポイントがわかっていると、見学する時の視点が定まりやすくなりますよ。
チェックポイント① 「施設の特色」
施設の特色
生活介護事業所は、日中の大半を過ごす場所です。その施設が「何を強みにしているか」をチェックすることで、その施設との相性を判断する材料になります。
- 入浴サービスが充実している
- 創作活動に特化している
- 音楽療法が人気
- 外出活動や、運動プログラムなど、体を動かすことがメイン
など、施設によって特色はさまざまなので、見学を担当してくれたスタッフに聞いてみましょう。施設の経営理念や運営方針が現場に浸透しているかどうか、チェックするポイントにもなりますよ。
⇒【関連記事】『日中の充実をサポート! 生活介護事業所で人気のアクティビティまとめ』
チェックポイント② 「スタッフの人数とフロアの空気」
スタッフの人数とフロアの空気
私も、年に何件か見学の受け入れを担当することがあります。スタッフの人数に関しては、ほぼ毎回と言っていいほど質問を受けます。
実際に見学する場合、ご自分の目でチェックして頂きたいのが「フロアの雰囲気」です。スタッフの人数が足りていないと、どうしてもせわしない感じになってしまいがちです。
もちろん、突発的な事態に対応するために人員を割いていて、一時的に人手が不足している場合もあります。ですが、見学中ずっとせわしない感じが続いているようであれば、それが「その施設の普段の雰囲気」なのかもしれません。
チェックポイント③ 「トイレと玄関」
トイレと玄関
ここは是非チェックしてください。「人を大切にしている施設ほど、トイレと玄関がきれい」というのが私の持論です。玄関とトイレは「お出迎え」と「おもてなし」の気持ちが最も反映される場所です。
どれだけ素晴らしい経営理念を掲げていても、あるいは他の施設にはない特色があっても、人を大切にしない施設は…私だったら利用したくありません。
人とはご利用者さんのことだけでなく、現場のスタッフの事でもあります。トイレや玄関の掃除がきちんと行き届いている施設は、スタッフの動きにも余裕があります。
トイレと玄関が汚かったら即アウト、なんて言うつもりは毛頭ありません。もし、最後の決め手に迷ったら、思い出してみてほしいです。
⇒【関連記事】『生活介護事業所の掃除が大切な理由:生活支援員に必要な視点とは?』
チェックポイント④ 「ご利用者さんの男女比」
ご利用者さんの男女比
生活介護事業所だから、というわけではありませんが、事業所によってご利用者さんの男女比に大きな差がある場合があります。
ちなみに私が勤めている生活介護事業所では、男女比に2倍以上の差があります。
現状の男女比に合わせて、スタッフの男女比も偏りがある場合があります。利用するようになってから「こんなに男女比があるとは知らなかった」、「同性のスタッフが少ない」と感じてしまうことのないように、気になる場合は見学の段階で確認することをオススメします。
チェックポイント⑤ 「スタッフの言葉遣い」【難易度高】
スタッフの言葉遣い
スタッフの言葉遣いも重要なチェックポイントです。見学に行った場合、案内を担当するスタッフがついてくれることになると思うんですが、チェックして欲しいところは「案内を担当する以外のスタッフの言葉遣い」です。
難易度は高いですが、案内を担当するスタッフの話を聞きつつ、周囲の会話に耳を傾けてみてください。明らかな命令口調や、相手を子ども扱いするような言葉が聞こえてくるのは一発アウト級の論外案件です。
ある程度の信頼関係が構築されていれば、多少砕けた表現になることはあります。だからこそ、言葉遣いはスタッフの技量や意識が顕著に反映されるポイントの1つです。
施設を見学する時に避けて欲しい時間帯
リアルすぎる話かもしれませんが、現場で働いている職員として、できれば見学に来るのを避けて欲しい時間帯があります。
もちろん、送迎サービスの有無や、スタッフの人数、送迎車の到着時間などの関係で、すべての施設に言えることではありません。
受け入れる側としても、できるだけベストな状態で対応させていただきたいので、アポイントを取る時に、避けたほうが良い時間帯があるか聞いてみるのがオススメです。
もちろん、「送迎の様子を見たい」という要望もOKなので、ぜひ気楽に聞いてみて下さい。
まとめ
今回は「生活介護事業所の施設見学」をテーマに、チェックすべきポイントを紹介してきました。
- ベストな状態で受け入れをするために、ぶっちゃけ「避けて欲しい時間帯」がある
- トイレと玄関は、「お出迎え」と「おもてなし」の気持ちが反映されやすい(持論)
- 「案内を担当してくれている以外のスタッフ」の言葉遣いを聞いてみよう
最後にお伝えしたいのは、「同じような施設」はあったとしても、「同じ施設」はない、という事です。最初に見学に行ったところを気に入ったとしても、複数の施設を見学してもらって、それぞれの施設の良さを感じてみてほしいです。特色が似ている施設でも、街中にあるか郊外にあるかで雰囲気が全く変わってきます。
最初は勇気がいるかも知れませんが、気になることはどんどん質問してみてください。
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