めざせ!福祉マスターでは、施設の特色を全面に打ち出す活動として、生涯学習講座をおすすめしています。ですが、生涯学習と聞くと、堅いイメージを持ってしまう人もいるかもしれません。
そこで今回は、「本」を使った一風変わった生涯学習講座の流れをご紹介します。知っているようで知らなかった、豆知識たっぷりの「終わった後に誰かに話してみたくなる講座」を、導入から終わりまでの流れに沿ってご紹介します。
この記事は、
・生涯学習講座に興味がある生活支援員さん
・施設の特色を出したいと考えている管理者さん
・日中活動を担当している生活支援員さん
におすすめです。
用意するもの
講座の時間は30分から45分くらいが目安です。
この講座では、「ソフトカバーの本」と「ハードカバーの本」を用意してください。本の内容は何でも構いません。少なくともそのうちの1つは、スピン(どこまで読んだかわかるように挟んでおくヒモ)がついているものにしてください。
今回は「本の内容」ではなく、「本の各部名称」にスポットを当てた講座です。
ホワイトボードは必須ではありませんが、あると格段にやりやすくなります。
導入
この講座では、導入部分が最も難易度が高いです。逆に言えば、ここが成功すれば講座の半分以上は上手くいったようなものです。
切り出し方としては、ストレートに「今日は『本』についての講座です」と始めるのがおすすめです。そこから、ご利用者さんが知っている各部名称を挙げていってもらうわけですが、ここで一工夫です。
「車には、ハンドルやシートベルトといったパーツがあるのと同じように、本にもいろいろなパーツがあります。」という感じで、例えを出しながら進めていくと良いでしょう。
出てきた意見はホワイトボードに書き出していきます。
経験上、「表紙」が最もよく出てきて、それ以上は出てこないパターンが多いです。タイトル、ページといったワードも出てくるかもしれませんので、各部名称ではなくてもすべて拾い上げるつもりで書き出してみてください。
参加している皆さんには、「意外と知らないことが多いなぁ」という印象を持ってもらえたらOKです。
発展
ここからは、本の各部名称を紹介していきます。クイズ形式、講義形式のどちらでも成立させやすいので、全体の雰囲気やご利用者さんの理解度などを考慮しながら進めていきましょう。
- しおりとして使うヒモは何という? ⇒ スピン
- カバーや帯をかける時に、表紙に折りこむ部分を何という? ⇒ 袖(そで)
- 本の上の部分と下の部分は何という? ⇒ 天と地
など、いろいろな名称がありますので、「なるほど!」「わかった!」という感覚が好きなご利用者さんの、興味を刺激するのに適した講座と言えるのではないでしょうか。
クイズ形式の場合は、ストレートで回答するパターンや、3択問題など、バリエーションを付けていくとメリハリが出ます。
本の各部名称の他に、「ソフトカバーとハードカバーの違い」や、「版と刷の違い」など、知っているようで知らなかった本の豆知識へと発展させていくことができるのが強みです。
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おわりに
講座終了5分前くらいを目安に、まとめに入ります。まとめ方はシンプルに、ご利用者さんから感想を聞くスタイルがおすすめです。
もし、「他の者の名前も知りたい!」という意見が出れば、120点です。可能であればそれをテーマにした講座へと発展させていくと、学びの幅がどんどん広がります。
まとめ
今回は、「本」を使って一風変わった講座をやってみようというテーマで、ほんの各部名称を学べる講座の流れをご紹介しました。
- 知っているようで知らなかったことを学べる
- 別の疑問から新しい講座に発展させやすい
- 「なるほど!」「わかった!」という感覚が好きなご利用者さん向け
この講座だけでなく、すべての講座に言えることですが、「わかった!」「いいね!」「なぜ?」という3つの要素が入っているだけで、生涯学習として成立します。
「わかった!(W)」「いいね!(I)」「なぜ?(N)」の頭文字を取った『W・I・N』を大切にして、ご利用者さんが楽しい時間を過ごせる活動の1つとして、ぜひ参考にしてみてください。
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