皆さんは聴く読書「オーディオブック」をご存知ですか? 通勤時間などのスキマ時間を活用したり、ウォーキング中や入浴中に「ながら読書」を楽しめるコンテンツです。
- 名前だけは知っているけど、詳しいことはわからない
- 生活介護事業所との関連は考えたことがなかった
- 本は目で読むものだけだと思いこんでいた
今回は、生活介護事業所で生活支援員をしている私が、オーディオブックを現場の支援に活用する方法についてご紹介します。「ながら読書」だけではないオーディオブックの可能性を探っていきましょう!
この記事は
・ご利用者さんの日中活動を探している生活支援員さん
・「聴く読書」に興味がある人
・オーディオブックを誰かに勧めてあげたい人
におすすめです。
読書の魅力
読書は、ご利用者さんにとって、とても魅力的な日中活動の1つです。私の職場でも読書を楽しむ時間があります。
日中活動としての読書の魅力は、次のようなものが挙げられます。
- 色々な考えに触れることができる
- 知識や教養が身につく
- 読みたい本を買いに行く「外出活動」に繋がる
⇒【関連資料】『「バリア」を『クリア』に!生活介護事業所の「障害のある人の読書の楽しみ方」』
「聴く読書」のメリット
私は実際に、ご利用者さんを対象に実施している生涯学習講座で、朗読のCDを使った講座を実施したことがあります。
「目で読む時と違った感じがして面白かった」
「窓の外を見ながら聞けるので目が疲れなかった」
「読めない時はないけど、意味がわからない言葉が出てきた」
など、リアルな感想を聞くことが出来ました。その中で感じたメリットを5つご紹介します。
1、スキマ時間を活用できる
通勤時間や、待ち時間などのスキマ時間に読書を楽しむことができます。
また、入浴中やウォーキング中など、「ながら読書」を楽しめるのも聴く読書ならではのメリットと言えるでしょう。
2、スマホがあればOK
メリットの2つ目は、スマホがあれば手軽に楽しめることです。
文庫本1冊よりも省スペースで、自分が気に入った本を何冊も持ち歩ける手軽さは、紙の本にはない魅力です。
3、「読めない!」がない
耳で聴くため、「あ〜、コレなんて読むんだっけ?」ということがないのもメリットと言えます。
漢字だけでなく、英単語も正確な発音で聞けるので、「漢字や英単語が読めないことで内容が頭に入ってこない」というストレスを軽減することができます。
4、目に優しい
長時間の読書はどうしても目に負担がかかります。「聴く読書」なら、目に負担をかけずに楽しむことができます。
目を閉じていても読めるってすごく不思議な感覚ですが、温感タイプのアイマスクで目のケアをしつつ、読書を楽しむことも可能です。
5、狭い、暗い場所でも楽しめる
メリットの5つ目は、場所に関することです。紙の本だと、狭い場所や暗い場所での読書は難しいですが、聴く読書なら問題ありません。
再生したスマホはポケットに入れ、イヤホンを使えば、満員電車でも気兼ねなく読書を楽しむことができます。
また、寝る前に部屋を暗くしていても聴けるので、睡眠の質を下げることがないのも魅力です。
オーディオブックを試してほしい人
ここからは、生活介護事業所など、介護の現場でオーディオブックを試してほしい人をご紹介します。
身体が動きにくい人
例えば、手が不自由でページをめくる動作が苦手だったり、本を開いて押さえておくことが難しい人にとっては、オーディオブックが選択肢に入ってきます。
また、車椅子の背もたれに身体を固定している人や、寝たきりの状態の人など、目線が上向きになっている人にとっては、本を読む動作そのものが取りづらい場合もあります。
オーディオブックは、利用する人がどういう姿勢でも対応しやすいので、身体が動きにくい人との相性が良いと言えます。
読むことに困難がある人
全体的な発達に問題はないけれど、読むことや書くことに困難がある人がいます。
紙の本では情報が入ってこない(あるいは極端に時間がかかってしまう)けど、耳からの情報なら問題なくインプットできる、という場合にはオーディオブックがマッチする可能性が高いと言えます。
また、本を読んでいるとすぐに疲れてしまう人にとっても、オーディオブックなら比較的長い時間楽しめるかもしれません。
視覚に障害がある人
視覚に障害がある人と、オーディオブックの相性は抜群です。アプリの操作さえ慣れてしまえば、気軽に読書を楽しむことができます。
生身の人間の朗読を聴くことで、小説などより深く感情移入できるなど、音声読み上げソフトにはない魅力があります。
まとめ
今回は、聴く読書「オーディオブック」をおすすめしたい人というテーマで、聴く読書のメリットや、おすすめしたい人についてご紹介しました。
- 読書は魅力的な日中活動の1つ
- スマホ1つでたくさんの情報を得ることができる
- 現場で活用できるシーンがたくさんある
オーディオブックにはデメリットがあることも事実です。紙の本に比べて価格が高くなりがちなことや、付箋やマーカーでチェックができないことなど、決して万能ではありません。
何事も大切なのはバランスです。必要に応じて、紙の本や電子書籍、オーディオブックを使い分け、ご利用者さんの「学びたい」という気持ちに寄り添うことが何よりの支援だと考えています。
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