この記事は、職員数10名以下の生活介護事業所の職場内研修について書いています。
支援に関する知識を獲得したり、最新の情報を得るために重要な研修。外部の主催する研修に参加する機会もありますが、職場内で研修を実施する施設もあるのではないでしょうか。
- 少人数だからこそ、内容の濃い研修をしたい
- 参加者に面白いと感じてもらえる研修にしたい
- 座学もいいけど、参加型の研修がしたい
そんな希望を叶えるためのアイデアを3つご紹介します。「学び」は生きる力になる、をテーマにしている私が、自分の経験を交えながらメリットもデメリットも書いていきますので、職場内研修を考える参考にしてみてください。
この記事は
![](http://hukusi-master.com/wp-content/uploads/2023/10/トップページ③-150x150.png)
・職場内研修を主催する職員さん
・学びのアイデアがほしい生活支援員さん
・施設の管理者さん
におすすめです。
【関連記事】⇒『なぜ福祉施設の研修は面白くないのか:こうすればもっと研修を受けたくなる!』
1)防災食を食べてみよう
![](https://hukusi-master.com/wp-content/uploads/2024/03/防災食を-食べてみよう.png)
最初にご紹介するのは、「防災食を食べてみよう」です。災害用の非常食を備蓄している施設も多いかと思いますが、実際に食べてみることで様々な課題が見えてきます。
メリット
- 備蓄を買い替えるタイミングで実施することができるため、追加のコストが発生しない
- ご利用者さんも巻き込んで実施することができる
- 実際にやってみることで、課題の洗い出しがしやすい
デメリット
- 買い替えのタイミングに合わせると、3〜5年おきにしか実施できない
- アルファ米を水で調理しようとすると1時間くらいかかってしまう
- 出てきた課題の対策については、正解が1つに決まるものではない
デメリットはこうやって克服する!
①5年期限の備蓄を、1度に全部買い替えるのではなく、「1年毎に使って買い足す仕組み」に変える
②時間がかかるものは研修が始まる前から準備しておく。名付けて「料理番組の『20分ほど煮込んだものがこちらになります』作戦」
③研修では課題の洗い出しするところまでにして、対策については別の機会に議論する
2)送迎車に乗ってみよう
![](https://hukusi-master.com/wp-content/uploads/2024/03/防災食を-食べてみよう-1.png)
続いてご紹介するのは「送迎車に乗ってみよう」です。特に車椅子を利用しているご利用者さんがいる場合には、「車いす対応車両の乗り心地」を体験することが良い研修になります。
車椅子を利用して、リフトの乗り降りを体験したり、実際に走ってみることで「ご利用者さんが乗っている時の様子」をリアルに体験することができます。
メリット
- 準備がほとんど不要で、時期を選ばず実施できる
- 日常の業務に直結しているので、自分の問題としてとらえやすい
- 実際に体験するので、現場での指導に説得力が増す
デメリット
- 車椅子のシート分しか乗車できないため、全員が体験するのに時間がかかる
- 日常の業務感が強すぎて、「研修をしている」という緊張感が出にくい
- 慣れていない職員さんが参加する場合、怪我などのリスクがないとは言い切れない
デメリットはこうやって克服する!
- チェックリストを用意して、後から発表する形を取るなど「普段の業務と違うところ」を1つ以上入れるようにする
- 慣れていない人がいる場合は、「使い方を教えるチャンス」ととらえ、「技術指導」の側面も重視した研修にする
- 複数回に分けて、事前に体験してもらっておき、研修では課題の洗い出しに専念するなど、研修の仕組みを工夫する
【関連記事】⇒『生活介護事業所の「送迎車内に置いておきたい」100円ショップの便利アイテム5つ!』
【関連記事】⇒『生活介護事業所の『送迎』『車椅子の介助』『仕事中』の「あるある」をたくさん言いたい!』
3)介護食を実際に食べてみよう
![](https://hukusi-master.com/wp-content/uploads/2024/03/防災食を-食べてみよう-2.png)
最後3つ目は、「介護食を実際に食べてみよう」です。特に、やわらか食など「普通食とは違った形態の食事」を利用している職員さんがいる場合には、実際に食べてみることで今まで気づかなかったことに気づける場合があります。
メリット
- 日常の業務に直結しているので、自分の問題としてとらえやすい
- 「やわらか食」「ミキサー食」「きざみ食」など、内容を変えて複数回実施できる
- 経験を仕事以外にも活かすことができる可能性がある
デメリット
- 「冷凍タイプのやわらか食」を購入して使用する場合、1食あたりの予算が高くなりがち
- 電子レンジで温める場合、1個5分くらいかかるので、全員の分を温めるのに時間がかかってしまう
- 日常の業務感が強すぎて、「研修をしている」という緊張感が出にくい
デメリットはこうやって克服する!
- 「研修費用」を予算に盛り込んでもらえるよう、前年度から交渉しておく
- 前もって温めておくなど、研修が始まる前から準備をしておく
- 2人一組になって、「食事介助をしてもらう」という体験を入れるなど、「研修だからこそできるところ」を1つ以上入れる
⇒【関連記事】『生活介護事業所で、「やわらか食が必要な人」ってどんな人?』
⇒【関連記事】『生活介護事業所の食事介助、「介助する側が食べてみる」ことが大切です』
まとめ
今回は「職員数10名以下の施設におすすめの研修」というテーマで、施設内で実施する研修のおすすめテーマを3つご紹介しました。
- 少人数だからこそできる研修がある
- 「普段の業務に生かせる内容」を研修のテーマにする
- 予算の確保や、事前準備も大切
職員数が少ない施設では、一人ひとりの業務負担がどうしても大きくなりがちです。それに加えて研修の準備をするとなると、負担は更に増してしまいます。ですが、職員数が少ない施設だからこそ、より短時間で内容の濃い研修をすることが可能という側面もあります。
施設内研修の内容に困ったら、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
コメント