バスタオルは、どこの家庭にもある日用品です。
ですが生活介護の現場では、
ちょっとした工夫で「支援ツール」に変わります。
高価な福祉用品や、専門器具でなくても、
ご利用者さんの安心を増やせる場面があります。
今回は、生活支援員歴15年の私が、実際の現場で活躍している具体例と、
注意しているポイントも含めてご紹介します。
椅子座位の安定づくりに使う
▷ こんな悩みありませんか?
・一時的に車椅子を使う事になったが、高さが合わない
・今日1日だけ、座った姿勢を安定させたい
・枕をもう少しだけ高くしたい
そんな時には、クッションよりもバスタオルが活躍します。
▷ 活用方法
バスタオルを折りたたみ、必要な厚みに調整します。
・骨盤の後ろに軽く差し込む
・左右どちらかに丸めたタオルを入れて側方支持にする
・足底が床につきにくい場合は、足元に重ねて高さ調整をする
数センチ単位で厚みが調節できるので、簡易的な微調整が可能です。
▷ メリット
・「今日だけ」に対応しやすい
・クッションよりも微調整に向いている
・普段はバスタオルとして使える
▷ デメリット・注意点
・長時間の姿勢保持を前提とした専用器具ではない
・折るだけではズレやすい
・
あくまで“簡易調整”として活用し、必要に応じて専門職と連携することが大切です。
一時的な目隠しとして使う
▷ こんな悩みありませんか?
気になるものが見えてしまうと、
どうしても触りたくなってしまうタイプのご利用者さんがいます。
見えているのに、気にしないというのは、
とても難しいことなのかもしれません。
気になって仕方がないものを一時的に見えなくすることで、気持ちを切り替えることが出来る場合があります
▷ 活用方法
荷物の整理をしていて、一時的に離席したいなどに重宝します。
クリップなどと併用すれば、
プライバシーを保護するための、
一時的なカーテンとしても使えます。
▷ メリット
・気持ちの切り替えがスムーズにいく場合がある
・「見えると気になって仕方がない」をケアすることができる
・着替え中などに、プライバシーを守ることができる
▷ デメリット・注意点
・隠すだけでは気持ちが切り替わらないケースもある
・見えなくするだけで、「そこにある」という状態は変わらない
・あくまでも一時的な対処になってしまう
ご利用者さん本人の表情や反応を確認しながら、あくまで「安心の補助」として使います。
簡易的な防寒対策になる
暑さ寒さの感じ方はご利用者さんそれぞれ。
冷房が効きすぎていると感じる。
もう少し暖房の温度を上げてほしい。
生活介護事業所は、ある程度の集団生活の場なので、
個別のニーズに応えきれない場合もあります。
そんな時、バスタオルなら簡易的な防寒アイテムとして使用可能です。
▷ メリット
・その場ですぐ対応できる
・洗濯できるため衛生管理がしやすい
・オールシーズン対応できる
▷ デメリット・注意点
・あくまでも簡易的な防寒にしかならない
・施設の空調管理を確認する
・体調不良かもしれない、という視点が必要
隙間時間の運動に使う
▷ こんな悩みありませんか?
・次の活動までの待ち時間が苦手なご利用者さんがいる
・運動の機会や時間を確保したい
・体を動かす動作のバリエーションが欲しい
▷ 活用方法
・固く丸めて「握る」「引っ張る」動作に使う
・丸めてボールに見立て、キャッチボールする
・足の指でタオルを手繰り寄せる運動に使う
ハンドタオルよりも大きいので、
ご利用者さんのダイナミックな動きにも対応しやすいです
▷ メリット
・運動強度が調節しやすい
・スキマ時間にすぐできる
・個人で活動できる
▷ デメリット・注意点
・飽きやすい方もいる
・力加減が難しい場合は、怪我のリスクがある
・衛生管理(共有時の洗濯)が必要
バスタオルが支援に向いている理由
・価格が手頃で、複数枚そろえやすい
・入手しやすいため、緊急時でも準備しやすい
・厚みや形を自由に調整できる
・座位・臥位・活動など応用範囲が広い
・汚れても買い替えやすく、代替が容易
特別な福祉用品ではありませんが、
“その場の困りごとを軽減する補助ツール”として活用できます。
まとめ
バスタオルは、本来は入浴後に身体を拭くための道具です。
でも、
・椅子座位の安定づくり
・不安軽減の包み込み
・横になったときのポジショニング補助
・感覚刺激や作業活動の支援
そんな役割を果たしてくれます。
大切なのは、「何を使うか」より「どう使うか」。
福祉用品でなくても、ご利用者さんの安心を作る支援は可能です。



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