自動販売機は、生活介護事業所の支援で『超』がつくほど役に立つ!

自動販売機は支援ツールとして超がつくほど優秀 支援のアイデア

「日常生活のあらゆるものを支援に役立てられないか考えてしまう」

生活介護事業所の支援員さんあるあるの1つではないでしょうか。実は私も、普段から「あ、これは〇〇さんの支援に使える」「食事介助に便利そう」と考える事が多いです。…とはいえ、

  • 支援に役立ちそうなものを見つけられない
  • 自動販売機が活躍するとは思えないんだけど…
  • 柔軟な発想で物事をとらえるのが苦手

という支援者さんもいらしゃるはずです。そこで今回は、「自動販売機が生活介護事業所の支援に役に立つ!」と思っている私が、その理由を5つご紹介します。実際の支援に活かしたり、気づきを得るチャンスにしてもらえれば嬉しいです。

この記事は、

・支援ツールを探している生活支援員さん

・自動販売機のポテンシャルを知りたい人

・柔軟な発想を身につけるきっかけがほしい人

におすすめです。

福祉用品だけが福祉用品ではない

何だか、とんちのような見出しになってしまいましたが、いたって大真面目です。私達生活支援員は、福祉用品として開発されたものだけを普段の支援に使っているわけではありません。

ほんの1例ですが、

  • ゆっくり歯を磨くために「砂時計」を使う
  • 車から降りる時に足元に注目できるよう、車内にガムテープで作った足型を貼る
  • 市販のペットボトルホルダーを車椅子に取り付ける

など、ご利用者さんの特性に応じて、様々な日用品を支援に活用しています。

自動販売機が支援に役立つ「5つの理由」

それでは早速、自動販売機が支援ツールとして優秀だと言える5つの理由をご紹介します。実際にご利用者さんの顔を思い浮かべながら読んでもらえると、伝わりやすさがアップするはずです。

その場で「選ぶ」ことができる

「選択肢が多すぎると混乱してしまう」
「目の前にすべての選択肢が揃っているほうがいい」
など、選ぶことが得意ではないご利用者さんにとっては、自動販売機での買いものがマッチする可能性が大きいです。

まず第一に、「飲み物を買う」という目的がハッキリしているため、「自分が何をするのか」を見失いにくくなります。

また、すべての選択肢が目の前に用意されているため、欲しい物を選びやすい環境が整っているのも魅力です。

お金の計算がしやすい

支払う金額がある程度わかっているのも、支援に役立つと考えている理由の1つです。

「財布の中からお金を選んで出すことはできるが、金種が多いと混乱してしまう」というご利用者さんのにとっては、比較的少ない金種で買い物が可能な自動販売機との相性が抜群です。

また、「財布の中に200円ある。140円のジュースは買えるか」「50円玉が2枚と、10円玉が5枚ある。いくらの飲み物が買えるか」など、お金に関する計算問題を、買い物を通じて考えることができるのも魅力です。

実際に体験することで、お金の計算が身近に感じられるケースもあるので、そういった意味でも自動販売機は役に立ちます。

場所さえ選べば混雑することがない

自分が支払いをしている時に、後ろに長蛇の列ができていると焦ってしまうのは、私だけではないはずです。

私がかつて担当していたご利用者さんに、焦ることで自分を見失ってしまい、感情をコントロールすることができなくなってしまう人がいました。

自動販売機は、場所さえ選べば混雑することがないため、ご利用者さん自身も、一緒に行動している支援者も、人を待たせているというストレスを感じずに済みます。

また、待つことが苦手なご利用者さんにとっても、スーパーやコンビニのレジほど混雑することがない自動販売機での買い物が合っていると言えます。

買ったその場で飲みたいニーズに対応しやすい

ご利用者さんによっては、「買ったものをどうしてもその場で飲みたい!」という気持ちが強い人もいます。

スーパーやコンビニでもできないことはありませんが、周囲の安全がある程度確保された場所にある自動販売機を選べば、買ったその場で安心して飲むことができます。

飲んだ後は、空き缶やペットボトルをリサイクルボックスに入れるところまでを1セットにすることで、環境への配慮もバッチリ対応可能です。

ウォーキングの動機づけになる

ご利用者さんの日々の健康管理の一環で、ウォーキングを実施している施設も多いと思います。

ただ、現実問題として「一定の距離を歩いて戻ってくる」という行動に対して、前向きになれないご利用者さんがいることも事実です。

その場合は、「自動販売機まで歩いて、お茶か水を買って帰ってくる」という動機づけを追加することで、「何のために歩くのか」という見通しが持ちやすくなるケースがあります。

ただし、健康面に配慮するなら、糖分の多い飲み物の過剰摂取には注意したいところです。

ポイントカード制にして、「5回ウォーキングに行ったら、好きな飲物が1本買える」など、メリハリのある支援を導入するなどの対応が考えられます。

まとめ

今回は「自動販売機が支援で役に立つ」というテーマで、私が「生活介護事業所の支援で役に立つ」と思っている5つの理由について書いてきました。

  • 福祉用品だけが福祉用品ではない
  • 自動販売機はご利用者さんの特性にマッチしやすい
  • ウォーキングの動機づけとしても活用できる

私自身が、生活介護事業所で働いていて感じているのは、「ご利用者さんの経験がどうしても少なくなってしまいがち」ということです。成功も失敗もご利用者さんの貴重な人生経験だと考えています。

私達が普段なにげなく見かける自動販売機も、見方を変えれば支援に役立つポイントがたくさんあります。大切なのは、物事をいろいろな視点でとらえ、時には常識にとらわれない方法で支援に活かしていくことではないでしょうか。

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