この記事を読む前に、共有してほしいことがあります。
これは、生活介護事業所における日常的な支援場面を想定し、
「現場で無理なく実践できる見通し支援」を中心に紹介している記事です。
強い不安やこだわり、行動の難しさが大きい場合など、
より専門的な支援や個別対応が必要となるケースもあります。
その場合は、
専門職との緊密な連携や医療機関の判断に基づいた対応が重要になります。
本記事では、そうしたケースとは明確に切り分け、
日常場面で活用しやすい支援の工夫に焦点を当てています。
それでは、ここからが本題です。
生活介護の現場で、「ご利用者さんに伝えたはずなのに、不安そうにしている」
そう感じた経験はありませんか?
こうした状況の背景には、「見通しが持てていないこと」
が関係していることがあります。
この記事では、生活支援員歴15年の私が、実際に経験した事例をベースに、
ご利用者さんが安心して過ごすための“見通しの立て方”を、
現場で実践しやすい形でお伝えします。
■ 見通し支援の基本は「ご利用者さんが主役」
見通しを立てるうえで、一番大切なことはシンプルです。
ご利用者さんが主役になること
つまり、 支援員の都合を押し付けないことです。
例えば、
- 支援しやすい流れを優先してしまう
- 分かりやすい“つもり”で一方的に伝えてしまう
こうした関わりは、
「伝えたつもり」になりやすいです。
見通し支援は、ご利用者さん自身が受け止めることができて、初めて効果を発揮するという点に留意が必要です。
■ 伝わりやすい方法を探る
見通しを立てるうえで重要なのは、
「どう伝えるか」よりも「どうすれば伝わるか」です。
ご利用者さんとのやり取りなど、客観的な情報を集め、
- 言葉が伝わりやすい
- 文字の方が理解しやすい
- 絵や写真の方がイメージしやすい
など、受け取りやすい方法を探すところから、
見通しの組み立ては始まっています。
こう書くと難しく感じるかも知れませんが、
大切なのは、その人にとっての“分かりやすさ”を探ることです。
自分一人で見つけ出そうとせず、
その人とよく関わっている職員さんに聞いてみるのも良い方法ですよ。
■ 「1日の始まりのタイミング」を掴む
見通し支援で見落とされがちなのが、
1日は「朝から始まる」とは限らない、という視点です。
実際、私が関わっているご利用者さんを例に出すと、
「予定変更は、当日の送迎車の中で伝えた場合のみスムーズに受け止められる」
という方がいらっしゃいます。
あくまでも推測ですが、そのご利用者さんにとっては、
「送迎車に乗っている時間」が、1日の始まりなのかもしれません。
その人にとっての“スタートのタイミング”を知ること
がいかに重要か、わかっていただけたでしょうか。
■ ルールはシンプルに
これは私自身の反省点でもあるんですが、
支援を考えるとき、丁寧にしようとするほど複雑になる、
という落とし穴にハマってしまうことがあります。
実際の失敗例ですが、
あるご利用者さんに「文字で伝えてもらう」という支援を実施することにしました。
常にメモ用紙とペンを持ち歩いてもらうようにし、
それを確認するために、ご利用者さんの持ち物のチェックリストを作る…、
といった具合に、
“ルールを守るためのルール”が増えてしまった。
ことがあります。これは結果的に、
- ご利用者さんの負担になる
- 支援者も続けられない
という状態につながってしまった状態と言えます。
※現在は、何か伝えたい時には、”文字で書く”という手段さえ取ってもらえれば、細かい方法は支援者に任せる。という方法に修正して対応しています。
見通し支援は「続けられるか」という視点で考えることも大切です。
■ まとめ
見通しを立てることは、
ご利用者さんが安心して過ごすための土台をつくることです。
そのためには、
- ご利用者さんが主役であること
- 伝わる方法を探ること
- その人のスタートのタイミングを知ること
- シンプルに続けられる形にすること
これらを意識することが大切です。
支援に絶対の正解はありませんが、最小限の手数で、
「安心して過ごせる状態をつくること」も、立派な支援だと考えています。



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