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見通しと予測の違いとは?支援での使い分けをわかりやすく解説

生活支援員のための”見通し支援”
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支援の現場で、

「ご利用者さんに見通しを持ってもらうことが大事」
「先のことを予測するのが苦手」

といった言葉を耳にすることは多いと思います。

ただ実際には、
・「見通し」と「予測」の違いが曖昧なまま使われている
・どちらを支援として伝えるべきか迷う

という場面も少なくありません。

私自身も、後輩から「見通しと予測は何が違うんですか?」と質問されて、はっきりと答えられなかった経験があります。

この記事では、
まず「見通し」と「予測」の違いを整理し、
そのうえで支援としてどう使い分けるべきかを解説します。


「見通し」と「予測」の違い(結論)

結論から言うと、この2つの違いはここです👇

  • 予測:情報や経験から、未来を推定すること
  • 見通し:現状を踏まえた、これからの流れをイメージすること

つまり、

👉 予測=客観的な分析
👉 見通し=今後の展望

ここが大きな違いです。


「予測」とは?(一般的な意味)

予測とは、
これまでの経験や情報をもとに、
👉「この先どうなるか」を考えることです。

例えば、

  • 雨雲がある → 雨が降りそう(天気予測)
  • この作業量 → 1時間くらいかかりそう

といったように、
根拠をもとに未来を推測する力が必要になります。


「見通し」とは?(一般的な意味)

一方で見通しとは、現状を踏まえたこれからの流れです。
「見通しを持つ」というのは、

👉「これから何が起こるかが分かっている状態」
👉「流れがイメージできている状態」

のことです。

例えば、

  • 「このあと昼食、そのあと休憩」
  • 「あと5分で終わる」

といったように、
先の展開が分かっていることで安心できる状態を指します。


【重要】福祉支援における違い

ここからが大事なポイントです。

支援の現場では、
・見通し⇒ゴールまでの道筋
・予測⇒ゴールがどうなるか

という違いがあります。


■ なぜ「予測」は難しいのか

ご利用者さんの中には、

  • 経験の整理や言語化が苦手
  • 「前もこうだったから」と考えることが苦手
  • 未来をイメージすることが苦手

といった特性がある場合があります。

その場合、「このままだとどうなるか」という、
ご利用者さんにとってのゴール(結果)をイメージしづらくなってしまいます。


■ なぜ「見通し」が難しいのか

一方で見通しについても、ご利用者さんの中には、

  • 物事を”流れ”ではなく、”点”で捉えてしまう
  • 時間の感覚を持つことが苦手
  • 順序立てて情報を処理するのが苦手

こうした苦手感がある場合があります。

その結果、「何をどのようにすれば、ゴールなのか」、
という、ゴールまでの道筋をイメージしにくくなってしまうのです。


■ 支援として、どっちを伝えるべき?

ここが一番の悩みどころだと思うのですが、

👉 基本は「見通し」を伝える支援を優先する

これが軸になります。

予測はあくまでも「可能性」であるのに対し、
「見通し」は、あらかじめ設定されたゴールに辿り着くための、
具体的な手順だからです。

※あくまでも、支援における一般論です。現状を最優先し、予測を立てて行動することが必要なご利用者さんには、それに合わせた支援をしていきます。


■ 判断の目安(シンプルに)

✔ 見通しを伝えたほうがいい場面

  • 「手順」がわからないことで、不安になってしまう
  • 初めての活動に対して、不安になってしまう
  • 切り替えや、急な変更が苦手
  • 次の行動が分からず止まってしまう

✔ 予測を伝えても大丈夫な場面

  • 慣れている活動をする時
  • 「もしも」を考えることができる
  • 経験などを整理することができる
  • パターンを応用できる

■ 現場での具体例

ここからは、私が関わっているご利用者さんの支援の具体例をご紹介します。

Aさんは、気持ちの切り替えが苦手です。

活動中に「マジックペン」が目に入ると、
手が止まってしまい、自分が何をしていたのかを見失ってしまいます。

時計を読むことは可能ですが、
「未来の時刻」を理解することは極めて難しいです。

支援の具体例

①「休憩」「絵を描く」「散歩」など、
Aさんの行動を、マグネットシートに書いて、
ボードに「縦1列」に貼り付ける

②予定が終わったら、マグネットシートを剥がして箱に入れる。
⇒常に、「一番上の内容=Aさんの活動」であることがわかり、気持ちが逸れてしまっても、ボードを見れば思い出すことができる。

Aさんは現在も、衝動的にマジックペンに向かって走り出してしまうことがありますが、
「1日の流れ」を視覚的に伝えるようにしたことで、見通しを持つことができるようになりつつあります。


■ よくある誤解

QOL(生活の満足度)の向上、という意味では、
ご利用者さん自身で考えてもらうことは大切です。

ですが、「自分で考えてもらう」ことだけが、
良い支援とは言えません。

👉 安心して動ける土台(=見通し)を作ること

一見遠回りに見えるかも知れませんが、安心して過ごすことができれば、
結果的にご利用者さんの生活は豊かなものになると考えています。


■ まとめ

  • 予測する=未来を自分で考える
  • 見通しを持つ=流れが分かっている状態

そして支援としては、

「見通しを作ること」が基本で、
予測は見通しの先にある、と考えてもらえるとわかりやすいと思います。

この順番を意識するだけで、
ご利用者さんの不安や行動のしづらさは大きく変わります。

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