リマインダー支援とは、“次の行動を思い出すための手がかりを用意する支援”です。
支援の現場で、ご利用者さんが、
「活動中や移動中、気になったものに気持ちが向かってしまい、”何をしようとしていたか”を見失ってしまった」
という場面に出会ったことはありませんか?
これは、”気になるもの”によって、「ご利用者さんの見通し」が上書きされてしまった状態かもしれません。
そこで今回は、生活支援員歴15年の私が、
日用品でできる”リマインダー支援”についてご紹介します。
ご利用者さん自身が「今やるべきこと」を思い出し、
見通しを持ち直す支援を、実践ベースで書いていきますね。
■ リマインダー支援とは?
リマインダーとは、
「次にやることを思い出すきっかけ」になるものです。
「気が散っている」とネガティブに捉えるのではなく、
「今の環境では、本来の見通しを維持するための情報が弱すぎるんだな」
と考えるのがポイントです。
リマインダーや環境調整は、その弱まった見通しを補強するための「支え」になります。
“行動を思い出すための手がかり”を用意すること、
これがリマインダー支援の基本です。
■ なぜリマインダーが必要なのか
ご利用者さんの特性によっては、
短期記憶に極端な苦手がある場合も少なくありません。
そのため、「言葉だけの説明」はその場で消えてしまい、
時間や活動の迷子になってしまうのです。
そこで、目に見えるもの・手に持てるものを使うことで、
行動のきっかけを残すことができます。
私の職場でも、「その都度声をかければ良いのでは?」
という意見が出たこともありますが、
「お互いの負担を減らす」という意味でも、
リマインダー支援は有効だと考えています。
■ リマインダーとして使える日用品アイデア
ここからは、私が使っていて、実際に活用しやすいアイデアを4つご紹介します。
① クッション
👉「移動して座る」をつなぐリマインダー
部屋を移動する際にクッションを持ってもらうことで、
クッションを持つ→ 移動する→ 椅子に座る
という流れを作ることができます。
ご利用者さん目線では、”持っているもので活動を思い出せる”ものであり、
支援者目線では、「今、移動中なんだな」ということがわかります。
② カバン
👉「帰る流れ」を作るリマインダー
カバンを肩からかけることで、
カバンを持つ→ 送迎車に乗る
という一連の流れが自然につながります。
ご利用者さん目線では、「今から帰ること」が感覚的にわかり、
支援者も声かけの頻度を減らすことができます。
③ スケジュールと場所を書いた紙
👉「次の活動」へつなぐリマインダー
文字が読めるご利用者さんで、
ある程度情報処理ができる場合は、
- 次の活動内容
- 場所
を書いた紙を持ってもらう方法を試してもらうのはどうでしょうか。
私の職場では、悪天候などで予定が変更になった場合、
変更箇所を紙に書いて、ご利用者さんに渡すことがあります。
時間を置いて、何度か見直している様子が見られるため、
「不安になるたびに、確認しているのかな」という印象を受けます。
④ 歯ブラシとコップ
👉「食後の流れ」を作るリマインダー
食事の場面で、
あらかじめ歯ブラシとコップを席に置いておくことで、
「食べ終わったら歯を磨く」という流れが視覚的に伝わります。
ご利用者さん目線では、「食べたら歯磨き」がわかり、
支援者も、「コップが置いてあれば歯磨きが終わっていない」
という情報を共有できます。
■ リマインダー支援のポイント
日用品を使うときは、次の点を意識すると効果が高まります。
- 目に入りやすい場所に置く
- シンプルにする(情報を増やしすぎない)
- 行動とセットで使う
「見れば分かる」「持てば思い出せる」状態を作ることが大切です。
リマインダーそのものを失くしてしまう場合は、
両手で持てるものにするなど、柔軟な工夫が大事です。
■ まとめ
リマインダーと聞くと、
特別な道具を想像するかもしれません。
ですが実際は、私たちが買い物メモを持って出かけるのと同じようなものです。
時間や活動の“迷子”にならず、安心して次の行動に移れる。
そんな支援につながります。
見通しを支える、やさしい工夫のひとつとして
ぜひ現場で取り入れてみてください。



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