洗濯ばさみは、どこの家庭にもある日用品です。
ですが生活介護の現場では、
ちょっとした工夫で「支援ツール」に変わります。
高価な福祉用品や、専門器具でなくても、
ご利用者さんの安心を増やせる場面があります。
今回は、生活支援員歴15年の私が、実際の現場で活躍している具体例と、
注意しているポイントも含めてご紹介します。
本のページを開いた状態で固定する
▷ こんな悩みありませんか?
- 本を机に置くと閉じてしまう
- 片手でページを押さえないと読めない
- 姿勢保持が難しく、読書に集中できない
身体状況によっては、
「本を読む」という行為そのものが難しい場合があります。
▷ 活用方法
譜面台に本を置き、フレームとページを洗濯ばさみで固定します。
机に置いて読むご利用者さんの場合は、本の両端を挟んで開けばOK。
(本の形状や、洗濯ばさみの重さによっては、上手く行かないこともあります)
これだけで、本を開いた状態で固定することができます。
▷ メリット
・ご利用者さんが読書に集中できる
・生活支援員のサポートが「ページをめくるだけ」になる
・汎用性が高い(別なご利用者さんの支援にも転用可能)
▷ デメリット・注意点
・本によっては、強くて重い洗濯ばさみが必要
・文庫本だと、譜面台に置いた時に小さすぎて挟めない
・洗濯バサミ同士をヒモでつなぐなどの工夫がいる場合がある
② 手指の運動に使う
洗濯ばさみの魅力は、「絶妙なバネの強さ」と、
「簡単な動作で扱えること」です
▷ 活用例
・箱や紙の端に並べて挟む
・色合わせの要素を取り入れる
・洗濯バサミ同士を繋げて長くする
「挟む」「外す」両方が運動になります。
▷ メリット
・力加減の練習になる
・つまむ動作の訓練になる
・成功体験が得やすい
▷ デメリット・注意点
・「リハビリ感」が強くなりがち
・単調で飽きやすくなる
・指を挟んでしまう危険性がある
食事用エプロンのサイズ調整
食事用エプロンは便利ですが、
マジックテープが弱くなったり、首元が空いてしまう、
という悩みが出ることがあります。
▷ 活用方法
首元の余った部分を折り返し、
洗濯ばさみで軽く固定します
▷ メリット
・その人に合った位置で固定できる
・服の汚れ防止になる
・買い替え頻度が減る
▷ デメリット・注意点
・大きく動くと外れてしまう
・車椅子のヘッドレスト(頭を支えるパーツ)との相性が良くない
・苦しくないかをその都度確認する必要がある
④ 画用紙や教材の固定(創作活動)
▷ 活用方法
巻き癖のある画用紙は、
机に広げてもくるっと戻ってしまいます。
布団干しのような大きめの洗濯ばさみを使って、
机の端と画用紙を挟んで固定することで、
巻き戻りを防止することができます
▷ メリット
・ご利用者さんが創作活動に集中できる
・紙を巻いた状態で保管できる
・作品の質を担保できる
▷デメリット
・100%安心とは言い切れない(不意の巻き戻り)
・挟んでいる部分には描けない
・机と紙のサイズによっては、固定が難しい
洗濯ばさみが支援に向いている理由
改めて整理すると、
- 安価で手に入りやすい
- 強さにバリエーションがある
- 使い方が自由
という特徴があります。
特別な福祉用品ではありません。
でも、「困りごとを解決する視点」さえあれば、支援ツールになる。
それが、日用品の面白さです。
まとめ|福祉用品じゃなくても、支援は変えられる
洗濯ばさみは、洗濯のための道具です。
でも、
- 読みやすさを助ける
- 手指の動きを引き出す
- 安心して食事できる環境をつくる
- 創作活動を安定させる
そんな役割を果たしてくれます。
大切なのは、「何を使うか」より「どう使うか」。
福祉用品でなくても、ご利用者さんの安心を作る支援は可能です。



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