新聞紙は、どこの家庭でも用意しやすい日用品です。
ですが生活介護の現場では、
ちょっとした工夫で「支援ツール」に変わります。
高価な福祉用品や、専門器具でなくても、
ご利用者さんの安心を増やせる場面があります。
今回は、生活支援員歴15年の私が、実際の現場で活躍している具体例と、
注意しているポイントも含めてご紹介します。
遊び道具として使う
▷ こんな悩みありませんか?
・手先を動かす活動のバリエーションがほしい
・「この5分」を何かでつなぎたい
・新聞に興味を持ってくれたけど、活かし方がわからない
▷ 活用方法
例えば、
・新聞紙を丸めてボールを作る
・細く裂いて「紙ひも」を作る
・言葉探しクイズをする
現場では、思った以上に「スキマ時間」ができがちです。
活動のネタを1つ持っておくだけで、自分自身の安心感につながりますよ。
▷ メリット
・持ってくるだけで、すぐ始められる
・手指の動作にも使える
・短時間の活動にも、長時間の活動にも使える
▷ デメリット・注意点
・紙くずの掃除が必要になる場合がある
・手が汚れやすい
・紙の縁で手を切ったり、誤飲などのリスクがある
作業台や床の汚れ防止に使う
▷ こんな悩みありませんか?
ご利用者さんの創作活動。
思い切り絵を描いてほしいけど、床や机が汚れるのは避けたい。
そんな風に思うこと、ありますよね。
▷ 活用方法
机の上に新聞紙を広げ、作業マットの代わりにします。
絵の具、のり、スタンプなどの活動の前に敷くだけで、
作業スペースを簡単に保護できます。
▷ メリット
・机や床の汚れを防げる
・片付けが簡単になる
・活動準備の時間を短縮できる
▷ デメリット・注意点
・紙なので水分で破れやすい
・新聞に興味が向いてしまう場合がある
・完全に汚れを防げるわけではない
創作活動の素材として使う
ご利用者さんの創作活動、どんな材料を使ったら良いか、
迷ってしまうこともありますよね。
特に、新聞には興味を持ってくれるけど、
画用紙などにはそこまで反応がない、というご利用者さんがいるなら、
思い切って新聞紙で作品を作るのはどうでしょうか。
▷ 活用方法
新聞紙を素材として使い、さまざまな創作活動に活用します。
例えば、
・新聞紙でオブジェを作る
・画用紙代わりに絵を描く
・ちぎる時の”音”を録音して作品にする
生活支援員の工夫次第で、
生活介護の創作活動として、
自由度の高い素材になります。
▷ メリット
・材料費がほとんどかからない
・アイデア次第で様々な用途に使える
・失敗してもやり直しやすい
▷ デメリット・注意点
・インクが手に付く場合がある
・「作品」であることを周知しないと、処分されるかもしれない
・絵を描く場合は、画用紙よりも破れやすい
物の高さ調整として使う
机が少しだけぐらついている。ほんの少しだけ角度をつけたい。
そんな時にも新聞紙は役に立ちます。
・トレーの下に噛ませて角度をつける
・机の脚の下に挟んで、グラつきをおさえる
といった、簡易的な調整に向いています。
▷ メリット
・その場ですぐ調整できる
・細かく高さを変えられる
・道具がなくても対応できる
▷ デメリット・注意点
・あくまでも一時的・部分的な対処になる
・全体的な高さ調整には不向き
・見た目が良くない
あくまで”一時的な調整”と割り切って使います。
新聞紙が支援に向いている理由
・ほぼ無料で手に入ることが多く、価格面の負担が少ない
・折る・丸めるなど、形を自由に調整しやすい
・活動素材・環境調整など、応用範囲が広い
・使い捨てができ、代替しやすい
特別な福祉用品ではありませんが、
現場のちょっとした困りごとを補う道具として活用できます。
まとめ
新聞紙は、本来はニュースや情報を読むための道具です。
でも、
・手指の運動や感覚活動
・机や床の汚れ防止
・創作活動の素材
・物の高さ調整
そんな役割を果たしてくれます。
大切なのは、「何を使うか」より「どう使うか」。
福祉用品でなくても、ご利用者さんの安心を作る支援は可能です。



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