送迎の現場で、ご家族さんから話しかけられて対応しているうちに時間がオーバー。
「今切り上げたら失礼かな」「でも次の迎えが…」――私も以前はこの板挟みで悩んでいました。
気づけば予定がずれ込み、次の送迎時間に影響したり、焦って安全確認が雑になってしまったり。
“丁寧に対応したい”という気持ちが、かえって現場のリスクにつながってしまうこともあったんです。
でも今は、相手へのやさしさを大切にしながらも、安全と時間を守れる切り上げ方を身につけられました。
今回は、現場歴15年になる私の経験を活かして、同じように悩んでいる生活支援員さんに向けた「やさしさと安全を両立できる話の切り上げ術」をご紹介します。
【📌現役生活支援員、ほぼ毎日送迎車両を運転している私のプロフィールはこちら】
「話しかけられるから答える」ではなく「こちらが答えるから続く」
以前の私は「話しかけられるから答える」ものだと思っていました。
でも、あるとき“こちらが丁寧に答えるから会話が続いてしまう”のではないか、と気づきました。
よくよく思い返してみると、相手が多弁だから長引くだけでなく、私が「つい丁寧に返しすぎる」ことで次の話題を生んでいたんです。
その気づきから、私は「返し方」を少し変えるだけで流れがぐっと楽になることを学びました。
私が実践しているポイントはこの2つです。
- 伝えてくれたことへの感謝
→「ありがとうございます!」とシンプルに返す - 次の行動に“しっかりと移動”する(姿勢・視線・一言)
→「では行ってきます!」と笑顔で添える
たったこれだけですが、「丁寧さを保ちつつ、話を広げない返し方」ができるようになり、送迎の時間管理もずっと楽になりました。
このように、捉える枠組みを変えることを心理学の用語で”リフレーミング”と言います。詳しくはこちらの記事をご覧ください👇️
私の実践:この”ひとこと”が効く!

私は、ご利用者さんが乗り込んだ直後「ありがとうございます!では行ってきます!」と笑顔でお伝えしています。
この一言には、相手を尊重しつつ次の行動に移る要素がそろっています。
- ありがとうございます! … 情報提供やお気持ちに感謝を伝える
- では行ってきます! … 送迎の“次の行動”を宣言(ここで会話を閉じる)
ご利用者さんが乗ろうとしている間は、たとえご家族さんに話しかけられても、ご利用者さんの方を向いておくのがポイント。そして、振り返りざまに笑顔で伝えています。
軽度の見守りで乗車できる人であっても、ご家族さんの方を向くと「会話モード」になりやすくなるので、「私は送迎中です」と態度で伝えることも大事です。
フォローアップはチームで対応
「ご家族さんの会話」といっても内容は様々。何気ない日常会話から、ご利用者さんの家庭での様子で特に気になったこと、施設のイベントに関する質問など、緊急性もバラバラです。
ご家族さん目線では、送迎時のやり取りは「職員と顔を合わせることができる数少ない機会」の1つ。だからこそ、時間がかかるとわかっていても、あれもこれもと話が続いてしまうこともあるかもしれません。
もし、どうしてもお話が続くようなら、現場の統一した対応として、上司に「送迎に集中したい」という旨を伝えてもらうのもアリ。
私の職場では、定期的に「施設に電話するか、連絡ノートを使ってください」と文書で連絡しています。
まとめ:敬意&「今は送迎中」の意識が、安全も時間も守る
私が日々の業務で痛感しているのが、ご家族さんを尊重しつつ、“私は送迎中です”という態度を一貫させることの大切さ。
なぜならそれが、焦りを生まず安全を守る最短ルートだからです。
ご家族さんへのやさしさはそのままに、「ありがとうございます!では行ってきます!」で軽やかに出発する。これが私の安全対策です。
【生活支援員のための送迎ガイド】の記事をもっと読みたい人は、まとめページから記事一覧をご覧ください。
現場歴15年の現役生活支援員で、介護福祉士の資格を持っています。
一人ひとりの話をじっくり聴くのが得意で、ご利用者さんの悩みを言語化したり、やさしく言い換えることに自信があります。
ありがたいことに、ご利用者さんやご家族さんから「説明がわかりやすい」「やる気を引き出すのが上手」と高評価を頂いています。
介護福祉士について、詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください👇️
コメント