生活介護事業所は、通常の業務に加え、突発的なアクシデントへの対応、ご利用者さんが楽しみにしているイベントの準備など、現場はまさに”待ったナシ”。
現場が忙しくなればなるほど、どうしても優先順位が下がってしまうのが、施設の景観整備。特に草刈りは「外のことだし、後でもいいか」となってしまうのではないでしょうか?
でも、ちょっと待ってください。今回は、生活支援員歴15年の私が、「生活介護事業所で草刈りが大切な5つの理由」をご紹介します。
【📌現場歴15年!掃除は”働きやすさにつながる”と思っている私のプロフィールはコチラ】
”草刈り”とは
今回は、刈払い機を使用した作業を想定して書いていますが、施設の規模や立地条件によって、除草の範囲や方法は大きく異なると思います。
ご自身の施設に合った草刈りの方法に置き換えて読んでみてほしいです。
害虫が発生するのを防ぐ
雑草が伸び放題になっていると、蚊やダニ、蜂などの害虫が繁殖しやすくなります。ご利用者さんが刺されてしまった、という事態を防ぐためにも、定期的な草刈りが欠かせません。
私が関わっているご利用者さんの中には、危険回避行動を取ることが困難だったり、痛みを訴えることが苦手なご利用者さんがいるので、特に注意しています。
ただし、自分自身も刺されることがないよう、作業は長袖長ズボンがマストです。
転倒防止になる
車椅子での移動や歩行の安全性を確保するのも、私たちの大切な仕事です。
伸びている草に引っかかったり、雨の後に濡れた雑草を踏んで転んでしまう恐れがあるため、安全面からも草刈りは大事だと言えます。
私が勤めている生活介護事業所にも、歩行にややふらつきがあるものの、ご自分で歩いて移動するご利用者さんが複数名いらっしゃるので、特に移動ルートになるであろう場所を意識して草刈りをしています。
悪路での車椅子の押し方に興味がある人は、コチラの記事がおすすめです。
ご利用者さんの意欲を刺激できる
私は、あえてご利用者さんがいる時間帯に草刈りをすることもあります。刈った草の片付けを手伝ってくれるご利用者さんがいるからです。
体を動かすことが好き、なにか手伝いがしたい、そんな思いで声をかけてくれたそうです。
草刈りは、単純に景観維持だけでなく、ご利用者さんの「手伝いたい」という意欲を刺激できる側面もあります。
刈払い機での作業は危険が伴いますので、
- 手作業で一緒に作業する
- 草の片付けを手伝ってもらう
など、安全面に十分配慮した対応が必須です。
アレルギー対策になる
雑草の種類によってはアレルギーの原因となるものもあります。草刈りをすることで、リスクを軽減することができます。
私が勤めている生活介護事業所には、呼吸器系の障害があるご利用者さんがいらっしゃるので、不安材料を1つでも減らすという意味でも、定期的に草刈りをするようにしています。
視界が確保できる
雑草によって視界が遮られると、送迎車の運行に支障が出る場合があります。
私の職場環境を例にすると、施設の出入り口周辺に雑草が伸びやすく、放っておくと送迎車が出入りする時に、見通しが悪くなってしまいます。
また、万が一ご利用者さんが、ひとりで施設の外に出てしまった場合にも、視界が確保できていればより早く気づくことができます。
視界を確保するという意味でも、草刈りは大切な業務であると言えます。
生活支援員の送迎について興味がある人のために、まとめ記事へのリンクを置いておきます。
まとめ:草刈りは「安全」と「意欲」を育てる支援のひとつ
生活介護事業所における草刈りは、単なる景観維持だけではなく、
- 害虫や転倒の防止
- ご利用者さんの意欲を引き出す機会
- 視界の確保による安全性向上
など、日々の支援に直結する大切な理由があります。
忙しい現場だからこそ、外まわりの整備も「支援の一部」として捉えてみると、草刈りの時間が、ご利用者さんとの新たな関わりを生むきっかけになるかもしれません。
物事の見方を変えてみることを”リフレーミング”と言います。様々なケースで応用が効く考え方なので、よろしければ参考にしてみて下さい。
【生活支援員のための掃除テクニック】のカテゴリは現在準備中です。
現場歴15年の現役生活支援員で、介護福祉士の資格を持っています。
一人ひとりの話をじっくり聴くのが得意で、ご利掃除はご利用者さんのためだけではなく、私達自身の働きやすさにもつながると考え、様々な掃除のアイデアを実践しています。
現場の業務と同じくらい大切なのが、自分自身をいたわるセルフケア。”目指せ福祉マスター”では、仕事と暮らしのベストバランスを応援しています。









コメント