ガムテープは、誰でも1度は目にしたことがある日用品です。
ですが生活介護の現場では、
ちょっとした工夫で「支援ツール」に変わります。
高価な福祉用品や、専門器具でなくても、
ご利用者さんの笑顔を増やせる場面があります。
今回は、生活支援員歴15年の私が、実際の現場で活躍している具体例と、
注意しているポイントも含めてご紹介します。
簡易の防音材として使う
▷ こんな悩みありませんか?
体を前後に揺らす動作を繰り返すご利用者さんがいます。
椅子に座って体を揺らしていると、
椅子の脚が浮いてしまい、床を「ドン!ドン!」と叩いてしまう。
その音が他のご利用者さんのストレスに…。
ご利用者さん自身は穏やかに過ごせているので、
その音だけをを何とかしたい、という時に、ガムテープは役立ちます。
▷ 活用方法
20センチくらいに切ったガムテープを4つ折りにし、椅子の脚に止めるだけ。
完全な防音にはなりませんが、これだけで椅子の脚が床に当たった時の音を軽減することができます。
▷ メリット
・他のご利用者さんへの配慮になる
・ご利用者さんが落ち着く動作を妨げなくてすむ
・簡単につけ外しができる
▷ デメリット・注意点
・完全な防音にならない
・バランスが取りづらいご利用者さんには不向き
・長時間の仕様には向いていない
あくまで「簡易的な防音」程度に使うことが大切です。
立ち位置の目印に使う
▷ こんな悩みありませんか?
特に、空間的な見通しを持つことが苦手なご利用者さんがいる場合、
「どこで待つのか」や、「どこを見るのか」を伝えることに、
難しさを感じることはありませんか?
▷ 活用方法
床にガムテープを貼り、立ち位置の目印を作ります。
線で囲むようにする場合もありますが、
私が関わっているご利用者さんの場合、
送迎車のステップ部分に、ガムテープで足型を作っています。
▷ メリット
・視覚情報が強いご利用者さんとの相性がいい
・位置が明確になることで、見通しが持ちやすくなる
・他のご利用者さんとのトラブル防止になる
▷ デメリット・注意点
・剥がれかけると、転倒の恐れがある
・床材によっては適さない
・複数のご利用者さんに支援が必要な場合、情報同士が混乱しやすい
名札として使う
地域の小学校と交流会をしたり、
ご利用者さんが見学に来ることになった時、
ガムテープは簡易的な名札として使うことができます
▷ 活用方法
生活介護事業所は、ある程度の集団生活の場。
ご利用者さんの顔と名前を一致させることが、安心につながります。
必要な長さに切ったガムテープに、油性ペンで名前を書けばOKです。
▷ メリット
・強度があり、しっかり貼れる
・マスキングテープより大きくて目立つ
・その日だけ使うなら、名札を買い揃えるより安い
▷ デメリット・注意点
・粘着が強く、生地を痛める恐れがある。
・クラフトテープはペンで文字が書けない
・見た目が良いとは言えない
あくまでも、その日だけと割り切って使うことがポイントです。
ガムテープが支援に向いている理由
・比較的安価で価格面の負担が少ない
・事業所や家庭にもあり、入手しやすい
・貼る位置や長さを変えられ、調整しやすい
・普段遣いも含めて、応用範囲が広い
特別な福祉用品ではありませんが、
環境を整えるための道具として活用できる場面があります。
まとめ
ガムテープは、本来は荷物の梱包や固定のための道具です。
でも、
・立ち位置などの目印
・簡易的な名札
・一時的な防音材
そんな役割を果たしてくれます。
大切なのは、「何を使うか」より「どう使うか」。
福祉用品でなくても、ご利用者さんの安心を作る支援は可能です。



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