そのリフレーミング、逆効果かも?失敗しないための関わり方と4つのポイント

生活支援員のための”関わり方”

リフレーミングとは、ある出来事の見方を、別の見方で捉え直すという心理学の用語です。

ネガティブなことでも視点を変えることで、前向きな気持ちになったり、新しい支援の方向が見つかりやすくなるなどのメリットがあります。

でも、「リフレーミング」を意識して関わったのに、
相手の反応が悪くなってしまった…そんな経験はありませんか?

実はそれ、リフレーミングの“使い方”が原因かもしれません。

リフレーミングは支援の現場で使える考え方ですが、
使い方を間違えると、相手を傷つけたり、不信感につながることもあります。

この記事では、支援現場で起こりがちな「リフレーミングの失敗パターン」と、
失敗しないための考え方を、やさしく解説していきます。

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■この記事を読むと

・リフレーミングがうまくいかない理由がわかります
・やってしまいがちなNGパターンに気づけます
・「失敗しないための視点」が身につき、安心して関われるようになります


■リフレーミングは「万能」ではない

リフレーミングは「見方を変える」大切な考え方ですが、
どんな場面でも使える“万能な技術”ではありません。

むしろ、使いどころを間違えると
「わかってもらえない」「軽く扱われた」と受け取られてしまうこともあります。

だからこそ大切なのは、
“どう言うか”よりも、“どんな状態で使うか”です。

リフレーミングとポジティブシンキングの違いがわからない、という悩みはありませんか?
違いをわかりやすく解説した記事をご用意しています👇️


■よくある失敗①:気持ちを飛ばしてしまう

私の経験:普段は歩行訓練で10分以上歩けるご利用者さんが、その日は5分ほどしか歩くことができずに落ち込んでしまった。

よくあるNG例:
「そんな日があっても大丈夫ですよ」
「”歩けなかった時の経験”になりますよ」
⇒ご利用者さんが余計に落ち込んでしまった。

一見すると、できなかったという状態を、視点を変えて伝えています。
でも、相手の気持ちを飛ばしてしまっていると、
リフレーミングはかえって相手を追い詰めてしまいます。


✔ なぜ失敗するのか

私も含めて、とっさに「できなかった事実をフォローしなければ」と思ってしまいがちですが、相手はまだ、

「悔しい、できなくて恥ずかしい」

といったネガティブな感情の真っ只中にいるかもしれません。

その状態で見方を変えられても、
「できない経験になったとか言われても…」と、
落ち込んでしまう事があるんです。


✔ 改善のヒントと私の実践例

まずは、気持ちを受け止めることを優先することが大切です。

リフレーミングはあくまでも、”ご利用者さんから求められて提案する”くらいでちょうどいいと考えています。

私の実践例:
「”5分しか歩けなかった”ということを、別な捉え方で考えてみませんか?」
⇒リフレーミングの主人公は、ご利用者さんです。


■よくある失敗②:前向な教訓を押しつけてしまう

私の経験:美術館に行く予定をしていたご利用者さんが、当日、忘れ物(障害者手帳)をしてしまい、取り乱してしまった。

よくあるNG例:
「どうすれば忘れ物を減らせるか、考えるチャンスですよ」
「美術館には行けるんだから、結果オーライです」
⇒ご利用者さんが余計に取り乱してしまった。

これも、「できなかったことをフォローしようとしている」という意味では、
前向きな提案をしているように見えます。


✔ なぜ失敗するのか

私も含めて、「美術館に行けないわけではないことを伝えよう」と思ってしまいがちです。

でも、ご利用者さんは、「美術館に行けるか」ということよりも、「忘れ物をしてしまったこと」に取り乱しているのかもしれません。

相手の価値観を無視して、前向きな教訓を伝えられても、
かえって取り乱してしまうこともあるんです。


✔ 改善のヒントと私の実践例

まずは、高ぶった感情が落ち着くまで待つことが大切です。

リフレーミングしても、「忘れ物をした」という事実そのものが無くなるわけではないことに、充分留意が必要です。

私の実践例:
「美術館から帰ってきてから、今日の経験をどう活かすかお話しませんか?」
⇒選択のボールを、ご利用者さんにそっと手渡すイメージです。


■よくある失敗③:フォローの方向性がズレる

私の経験:レクリエーション活動で、真っ先に答えてくれたご利用者さん。その答えに、他のご利用者さんが笑ってしまい、下を向いてしまいました。

よくあるNG例:
「ユニークな考えで素敵です」
「独創的な意見に出会えました」
ご利用者さんが怒り出してしまった

これも一見すると、意見の内容をリフレーミングしていますが、
方向性がズレてしまうと、かえって逆効果になってしまうことがあります。


✔ なぜ失敗するのか

特に、集団で行うレクリエーションでは、ユニークな意見に対して起こった笑いへのフォローが難しいと感じています。

ご利用者さんは、自分の意見の内容よりも、
「意見を言ったこと」に後悔しているのかもしれません。

そんな時に、「素敵な意見ですね」といわれても、
「言わなければよかった」と感じてしまうこともあるんです。


✔ 改善のヒントと私の実践

特に集団でのレクリエーションの場合は、「全体へのフォロー」と、「個別のフォロー」を併用することも大切です。

「意見を言うことが、レクリエーションにどんないい影響があるのか」を伝えることで、意見を言ったご利用者さんを立てることができます。

私の実践例:
「誰かが口火を切ってくれることで、レクリエーションが盛り上がっています」
⇒意見を言う事そのものが、生活支援員の助けになっていることをお伝えするようにしています。

逆に、日中活動が盛り上がらない時はどうしよう、という悩みはありませんか?
こちらの記事は、「無理に盛り上げない」という異なる視点から、日中活動をリフレーミングしています👇️


■よくある失敗④:支援員目線になっている

私の経験:周囲の物音に過剰に反応してしまい、そのご利用者さんに向けられた言葉ではないのに、「悪口を言われた」と思い込んでしまった。

よくあるNG例:
「周囲をよく見ている証拠ですね。」
「敵も味方もない、と考えたほうが楽になりますよ」
余計に自分を責めるようになってしまった

このような言葉は、「気にしすぎてしまう」という気持ちを前向きに伝えているように感じますが、無意識に“生活支援員の正しさ”を押しつけてしまうことがあります。


✔ なぜ失敗するのか

明らかに「本人が過剰に考えてしまっているだけ」という場合には、どうしても「それは違う」という気持ちを伝えたくなってしまいます。

ですが、ご利用者さんにとっては悪口を言われたことよりも、
自分の苦しみに気づいてほしい、と感じているのかもしれません。

そんな時に、「周りをよく見ていますね」と言われても、
私のことをわかってくれていない、と思ってしまうこともあるんです。


✔ 改善のヒントと私の実践

まずは、「悪口を言われたと感じたこと」を受け止めることが大事だと考えています。

私の場合、「悪口を言われたと感じてしまうほど、疲れているのかもしれませんね」と、
事実を受け止めつつ、体調が原因であることを伝えることが多いです。

そのうえで、気持ちを切り替えたいかどうかは、
ご利用者さんに委ねることも必要だと考えています。

私の実践例:「少し余裕ができたら、苦しい自分を受け止める方法について、一緒に話しませんか?」
⇒具体的なリフレーミングでお伝えするのは、ご利用者さんが少し持ち直すタイミングまで待っても遅くありません。


■まとめ:「変える」のではなく「広げる」

リフレーミングで大切なのは、
相手の見方を“変えること”ではなく、
見方の“選択肢を増やすこと”

です。

  • 気持ちを尊重する
  • 考えを押しつけない
  • あくまでも提案ベースで使う

この3つを意識するだけで、
リフレーミングはぐっと使いやすくなります。

「どうしていいかわからない」という状態は、
見方を変えれば「大切に関わろうとしている証拠」です。

うまくいかない経験も、支援の引き出しのひとつ。

この記事が、あなたの関わりに少しの余裕を生むきっかけになれば嬉しいです。

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