障害支援区分認定調査に同席する支援員の役割とは?「代弁者」としての立ち回り

生活支援員のための「制度対応のコツ」

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生活支援員の皆さん、
ご利用者さんの、障害支援区分認定調査に、
同席した経験はありますか?

慣れないうちは、

「どこまで話していいんだろう」
「自分が説明した方がいいのかな」

と迷ってしまうこともありますよね。

私も最初は、「ご利用者さんのために」という思いが強くて、
自分が主役のように話してしまっていたことがありました。

でも、経験を重ねる中で感じたのは、
生活支援員には“役割”があるということです。

今回は、生活支援員歴15年の実体験をもとに、
認定調査に同席する支援員の立ち回りについてお伝えします。

【📌生活支援員歴15年、失敗も成功もたくさん経験してきた私のプロフィールはこちら

この記事を読むと

・区分認定調査の同席に関する、生活支援員の役割を知ることができます
・NG対応とその理由がわかり、自身の支援に行かせます
・筆者が実際に使っている、現場のリアルな話を知ることができます


■結論:支援員は“主役”ではなく“代弁者”

先に結論からお伝えすると、
支援員は「主役」ではなく「代弁者」です。

あくまで中心はご利用者さん本人。

ご利用者さんが参加していても、
諸事情で参加できない場合でも、

「支援者がどんな支援をしているか」ではなく、
「ご利用者さんがどんな支援を受けて、どう暮らしているか」という視点で話すことが大切です。

このように、捉える視点を変えることを”リフレーミング”と言います。
こちらの記事で詳しく解説しています👇️


■よくあるNGな関わり方

私自身の反省も含めて、
やってしまいがちなNG例を挙げておきます。

主語が「支援員」になっている

支援内容の説明が、本人の状態ではなく「職員の苦労話」にすり替わってしまうパターンです。

NGな行動: 「ご利用者さんの歩行訓練のために、私たちが毎日歩行器を準備して、転倒しないように見守るのが本当に大変で……」という感情的な訴えに終始してしまう

なぜNGか: 認定審査会が必要としているのは、生活支援員の感情ではなく、「本人のどのような心身の状態に対して、どんな介助がどれくらい行われているか」という客観的な事実です。

あいまいな表現(「時々」「結構」「なかなか」)の多用

判断が相手任せになってしまう、曖昧な伝え方です。

NGな行動: 「時々パニックになります」「結構、時間が必要です」といった抽象的な表現。

なぜNGか: 「時々」が「週に1回」なのか「月に1回」なのかで、判定は大きく変わります。代弁者として、頻度、時間、人数といった「数字」を伴わない説明は、説得力に欠けてしまいます。


ご利用者さんの答えを否定してしまう

ご利用者さんにとっては、「できる」という判断でも、
同席する生活支援員から見ると、
「できない」と判断せざるを得ないケースもあります。

「正確に伝えなければ、正しく判定されない」という思いから、
ご利用者さんの答えを否定してしまうパターンです。

NGな行動: 「それは違います。本当はできません」と否定してしまう。

なぜNGか: ”代弁者”ではなく、”訂正者”になってしまっています。ご利用者さんの答えを真っ向から否定してしまうと、答える意欲を削いでしまいかねません。


■じゃあ、どう立ち回ればいい?

ここからは、私が意識しているポイントです。

先程の例を使って、生活支援員としての立ち回りのコツをお伝えします。
NGな行動を裏返して考えてみるのがポイントです。

① 「ご利用者さん」を主語にする

NGな行動: 「ご利用者さんの歩行訓練のために、私たちが毎日歩行器を準備して、転倒しないように見守るのが本当に大変で……」

答え方の例:「Aさんは、毎日歩行訓練をしています。歩行器を使えば10分くらい続けて歩くことができます。歩行器の準備と、転倒防止のための見守り支援が必要です。」

⇒必要があれば、普段の移動手段なども合わせてお伝えしていきます。(普段は車いすを利用していて、歩行訓練時のみ立ち上がる、等。)


② 客観的な説明を意識する

NGな行動: 「時々パニックになります」「結構、時間が必要です」といった抽象的な表現。

答え方の例:「Aさんは、当日に予定の変更を伝えられるのが、苦手な印象です。特に、”自分からすすんで参加したい”という活動が変更になると、表情が険しくなるだけでなく、頭をかきむしる行動が見られます。支援者が個室に誘導する支援が必要で、落ち着くためには最大で20分ほどかかります。」

⇒パニック、好き・嫌い、かなり、といった表現を置き換えていきます。


③「補足」を意識する

NGな行動: 「それは違います。本当はできません」と否定してしまう。

答え方の例:「補足しますと、実際のトイレの場面では、排泄をご自分で行うことができます。トイレまでの移動と、ズボンの上げ下ろしのために、毎回職員が1名付き添っています。」

⇒ご利用者さんの意見を受け止めたうえで、「できる部分」と、「支援が必要な部分」を分けて伝えるなどの工夫が必要です。

「初めて同席することになって不安」という悩みをお持ちのあなたのために、”何をどう答えるか”という視点でまとめた記事もご用意しています👇️


■「今、話すべきか?」の判断基準

同席していると、

「あれ、ご利用者さんの答えが、ちょっとズレてる気がする」
「これ、今言った方がいいのかな?」

と迷う場面が必ず出てきます。

そんなときは、「迷ったら言う」で判断して大丈夫だと考えています。
ただし、“短く・事実ベースで補足する”ことを意識しています。

なぜなら、認定調査は、
原則1回で終了するものだからです。

だからこそ、
“あのとき言えばよかった”を防ぐために、
私は付箋を使っています。

単色で大きめのものを使う方が、書きやすくて読み返しやすいです。

※私が実際に使っているのはこのタイプです。(Amazon広告)


■実体験:私の裏技

決して”万能のテクニック”、というわけではありませんが、私が使っているちょっとした小技をご紹介します。

調査員さんに、
「できないことを、できると言ってしまうんです」と、
御本人の目の前で伝えるのは、気を遣ってしまいますよね。

そこで、調査員さんが施設に来て、談話室などに入り、
ご利用者さんが到着されるまでの間に、

「〇〇さんは、”できないことは悪いこと”と思ってしまうタイプで、とっさに『できます』と答えてしまうことがあるんです。私からの補足が多くなるかもしれません」

といった具合に、あらかじめ「ご利用者さんの状況と、自分の立ち回り」を共有しておくようにしています。


■まとめ

認定調査に同席する支援員の役割はシンプルです。

  • 主語は「ご利用者さん」
  • 客観的な説明を意識する
  • 訂正ではなく、補足する

「必要なときに、必要なことを、必要な分だけ伝える」

この意識があると、
無理なく立ち回れるようになります。

認定調査の同席って、
正直ちょっと緊張しますよね。

ある程度回数をこなさないと、
自分なりのやり方が身につかないのも事実です。

だからこそ、最初から完璧に立ち回ろうとしなくて大丈夫です。

少しずつ経験を積みながら、
「自分なりのベストバランス」を、
見つけていきましょう。

【生活支援員のための「制度対応のコツ」】の記事をもっと読みたい人は、こちらのまとめページから、記事一覧をご覧ください。

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現場歴15年の現役生活支援員で、介護福祉士の資格を持っています。

一人ひとりの話をじっくり聴くのが得意で、ご利用者さんの悩みを言語化したり、やさしく言い換えることに自信があります。

ありがたいことに、ご利用者さんやご家族さんから「細かい部分まで気を配ってくれる」「話の要点を整理してくれて助かる」と高評価を頂いています。

介護福祉士について、詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください👇️

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