見通し支援で大切なのは「いつ始まるか」と「いつ終わるか」

生活支援員のための”見通し支援”
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見通し支援というと、「予定を伝えること」
というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

それが支援の第1歩になるのは間違いないと思います。

ですが私は、現場でご利用者さんと関わる中で、
予定には「始まり」と「終わり」の2種類があるのではないか
と感じるようになりました。

今回は、現役生活支援員として感じている、
「見通し支援の考え方」について書いてみたいと思います。


この記事を読むと

・見通し支援には「始まり」と「終わり」の2つの視点があることがわかります
・ご利用者さんによって、不安を感じるポイントが違うことに気づけます
・その人に合った見通し支援を考えるヒントになります


「始まりの見通し」が必要な人

まず一つ目は、始まりの見通しです。

例えば、

  • 今から何をするのか
  • どこでするのか
  • 誰と一緒に活動するのか

といった、
「これから始まること」
に対する見通しです。

私たちも、急な予定変更があると、
少し落ち着かない気持ちになることがあります。

ご利用者さんの中にも、
事前に”今日1日の流れ”を知っておくことで、
安心して過ごせる方がいらっしゃいます。

【事例】行動リストを持ち歩くAさん

Aさんは、”今自分が何をしているのか”を見失いやすいご利用者さんです。

今日1日の流れをまとめてお伝えしても、
それを記憶にとどめておくことは苦手な印象です。

そこで、100均のホワイトボードに、
「休憩」「絵を描く」「昼食」など、
行動を書いたマグネットシートを貼り付けた、

「Aさん専用の行動リスト」を用意しています。


「終わりの見通し」が必要な人

一方で、活動の始まりよりも、
”いつ終わるのか”に不安を感じる方もいらっしゃいます。

例えば、

  • あとどれくらいの時間で終わるのか
  • 本当に終わるのか
  • どれくらいの量で終わるのか

こうしたことが分からないと、
不安になったり、待つことが難しくなったりすることがあります。

以前の記事でも書きましたが、
「待つことが苦手」という行動の背景には、
終わりが見えないことへの不安が隠れている場合もあります。

【事例】活動量で「終わり」を伝えるBさん

Bさんは、紙をちぎって作品を作るご利用者さんです。

創作活動に積極的に取り組む姿勢が見られるものの、
「やめ時」を作ることが苦手な印象です。

時計など、時間的な概念をお伝えすることが難しいので、
あらかじめ、箱の中に創作用の紙を入れた状態で提供し、
「全部ちぎったら終わり」であることを伝えるようにしました。

最初は混乱が見られましたが、
現在ではスムーズに切り替えができるシーンも増えつつあります。


「わかってしまう不安」もある

私が現場で感じるのは、
「見通しがあれば安心できる」
とは限らないということです。

というのも、
「先の予定がわかってしまうこと」に対して、
不安を感じてしまうご利用者さんがいるからです。

私が関わっているご利用者さんの、
元号が平成から令和に変わる時の話です。

4月1日に新元号が発表され、
「”令和”に変わることはわかったけれど、まだ5月1日になっていない」
という状況がとても不安になってしまいました。

そのため、私たち支援者としても
「原因はわかっているけど、30日間待つしかない」

という苦しい時期を過ごしたことがあります。


まとめ

私は、見通し支援で大切なのは、
「予定を伝えること」だけではないと考えています。

大切なのは、「予定を伝える」だけで終わらせず、
その人がどこに不安を感じているのかを考えることです。

「いつ始まるか」なのか
それとも、「いつ終わるか」なのか。

あるいは、その両方なのか。

そうした視点で考えてみることで、
これまでとは違った支援のヒントが見つかるかもしれません。

見通し支援に正解はありません。

だからこそ、
その人にとって何が安心につながるのかを、
常に考え続けることが大切なのではないかと思っています。


併せて読みたい

【生活支援員のための”見通し支援”】記事一覧👇️
【生活支援員のための”見通し支援”】まとめ
活動の切り替えが苦手なご利用者さんへ|見通し支援でできる具体的な工夫
「待つ」が苦手なご利用者さんへの支援|まずは理由を考えてみる
予定変更が苦手なご利用者さんへの支援|「急」の感じ方は人それぞれかもしれない

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勤続15年、生活介護事業所で働く現役の生活支援員です。ケアマネージャー、介護福祉士、小学校の教員免許などを持っています。

ご利用者さんの悩みを言語化したり、わかりやすい言い換えに自身があり、ご利用者さんからは「説明がわかりやすい」「(個別支援計画の)言葉が丁寧」という評価を頂いています。

ABA(応用行動分析学)をベースにしたアプローチが得意で、「どのように環境を整えていくか」を入口に支援を組み立てています。ABAについては、こちらのサイトが非常にわかりやすいのでおすすめです👇️

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