「そろそろ終わりにしましょう」
そう声をかけても、なかなか切り替えられない…。
そんな場面、現場でよくありませんか?
- 活動を続けたい
- ”やめどき”がわからなくなってしまう
- 無理に切り替えようとして不安定になる
こうした様子を見ると、どう関わればいいのか迷いますよね。
この記事では、活動の切り替えが苦手なご利用者さんに対して、見通し支援でできる工夫を、生活支援員歴15年の私が、現場目線で解説していきます。
【📌現場歴15年。”環境を整える支援”が得意な私のプロフィールはコチラ】
この記事を読むと
・ご利用者さんの気持ちの切り替えが難しい理由がわかります
・「それでも難しい時」の対応を知ることができ、対策に活かせます
・現場の工夫だけでなく、NG例も知ることができます
活動の切り替えが難しい理由
まずは理由を整理しておきましょう。
切り替えが難しい背景には、こんな要因があります。
- 終わりのタイミングが分からない
- やめどきがわからない
- 楽しい活動をやめたくない(≒次の活動が苦手)
- 時間ではなく、行動で区切っている
つまり、多くの場合「見通しが持てていない状態」と言えます。
”見通し支援”という言葉自体がわからない、という悩みはありませんか?
こちらの記事で「見通しと予測の違い」という視点から、詳しく解説しています👇️
よくあるNG対応
生活介護事業所は、ある程度の集団生活の場。
複数のご利用者さんに同時に関わることも少なくないため、
ついやってしまいがちな関わりもあります。
- 時間が来たので「終わりです」と伝える
- 「あとちょっと」「少しだけ」を多用してしまう
- 強制的にやめさせてしまう
これらは、ご利用者さんの特性によっては、
一時的に動けても、不安や混乱を強めてしまうことがあります。
見通し支援でできる4つの工夫
ここからが本題です。
切り替えをスムーズにするには、
👉 「次が見える状態」をつくることが大切です。
①「終わり」を見える化する
- 「あと5分です」と、終わる少し前から伝える
- キッチンタイマーを使う
- 「CDが止まったら終わり」といった区切りを作る
キッチンタイマーなどが合わない場合は、
タイムタイマー(残り時間が色で減る時計)の使用を検討するのも方法です。
数字ではなく「色の面積」が減ることで、
直感的に「あとこれだけ」と理解しやすくなります。
②「次の行動」で伝える
ケースバイケースですが、「今の活動の終わり」ではなく、
「次の行動の始まり」で伝えることで、上手くいく場合があります。
私が関わっているご利用者さんにも、
今の活動に入った瞬間、次の活動が気になり始める、
という人がいます。
👉ご利用者さんにとって気になるのは、
「今」なのか「次」なのかを知ることも大切です。
③言い方を変える
私が関わっているご利用者さんに、
「終わりです」では伝わらないけれど、
「おしまいです」だと伝わる人がいます。
ご利用者さんの持っている言葉に合わせた言い換えで、
スムーズな切り替えをサポートすることができるかもしれません。
言い換えスキルを高めたいあなたのために、3ステップで練習できる”言い換えスキル”についての記事をご用意しています👇️
④“文字以外”で伝える
行動は必ずしも、口頭で伝えるものではありません。
- 文字で書く
- 絵カードを使う
- 写真を使う
これは私が研修で教えてもらった話なんですが、
詳細なイラストでは伝わらなかったけれど、ピクトグラム(棒人間)でササッと書いたら伝わった、
というケースもあるそうです。
現場での具体例
私が関わっているご利用者さんのケースです。
ある方は、活動中に気になるものを見つけると、
意識がそちらに向いてしまい、元の活動に戻れなくなることがありました。
そこで、
- 1日の流れをマグネットで提示
- 今やることを一番上に表示
- 終わったら外して、カップに入れる
という方法を取り入れるようにしました。
100%気持ちが逸れなくなったわけではありませんが、
「元の活動に戻れなくなる」という頻度が軽減されています。
それでも難しいときは?
見通しを伝えても難しい場合は、
感情の高ぶりや刺激の多さが影響している可能性があります。
その場合は、「その人にとって刺激の少ない、落ち着ける場所を用意する」といった環境調整も必要になります。
落ち着ける場所について詳しく知りたい、というあなたのために、「カームダウンとクールダウンの違い」という視点で詳しく解説した記事をご用意しています👇️
まとめ
- 切り替えが苦手な背景には「見通しに対する苦手感」がある
- ”急”の感じ方は人それぞれ
- 「終わり」と「次」を見える形で伝えることが大切
- 見通しと環境調整を組み合わせると安定しやすい
「終われない」のは、わがままではなく、
“次が見えていない不安”かもしれません。
このように、見方を変えて捉えることをリフレーミングと言います。こちらの記事で「リフレーミングとポジティブシンキングの違い」という視点から詳しく解説しています👇️
見通しを整えることで、
ご利用者さんが安心して次の行動に進めるようになります。
見通し支援のちょっとした工夫で、
日々の関わりを少しずつ変えていきませんか?
【生活支援員のための”見通し支援”】の記事がもっと読みたい人は、コチラのまとめ記事から記事一覧を御覧ください。
【生活支援員の便利帳】のカテゴリでは、職場や自宅でできるセルフケアなど、ご利用者さんと深く関わるからこそ大切にしたい視点を「全記事・実体験ベース」で書いています。
現場歴15年の現役生活支援員で、介護福祉士の資格を持っています。
一人ひとりの話をじっくり聴くのが得意で、悩みや困りごとを言語化するのが得意です。職員だけでなく、ご利用者さんからも「何に悩んでいたのかがよくわかった」といって頂けることも少なくありません。
現場の業務と同じくらい大切なのが、自分自身をいたわるセルフケア。”めざせ!福祉マスター”では、仕事と暮らしのベストバランスを応援しています。











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