環境調整と構造化の違いとは?使い分けと組み合わせを現役生活支援員が解説

生活支援員のための”支援用語・基礎知識”
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支援の現場で使われる「環境調整」と「構造化」。

どちらも利用者さんが安心して過ごすために、
大切な考え方ですが、

「結局何が違うの?」
「同じ意味じゃないの?」

と感じたことはないでしょうか。

実はこの2つは似ているようで、
支援の目的やアプローチに違いがあります。

この記事では、現役の生活支援員である私が、
「環境調整」と「構造化」の違いについて、
現場目線でわかりやすく解説します。


この記事を読むと

・環境調整と構造化の違いについて理解することができます
・目的による”使い分け”と”組み合わせ”の大切さについて知ることができます
・支援が上手く行かない時の、アプローチのきっかけについて知ることができます


環境調整とは?

環境調整とは、利用者さんが過ごしやすいように、
周囲の環境を整えることです。

「環境」にはさまざまな要素があります。

福祉で考えると難しいかも知れませんが、

・テレビの大きな音が気になる
・湿度が高くて過ごしにくい
・ご近所づきあいが苦手

など、自分の生活に落とし込んでもらえるとわかりやすいかもしれません。

・音や光、室温や湿度などの「目に見えない刺激」
・座席の配置や人との距離感、支援員の声かけなど「目に見える刺激」

これらを、「その人にとって過ごしやすい量にする」のが、
環境調整です。


私の職場の”環境調整の例”

私の職場には、「突然の大きな音」「初めて出会う人」「服薬後の眩しい光」が苦手なご利用者さんがいます。

そのため、”ポップアップ式の1人用テント”を用意し、必要に応じて刺激を減らすことができる工夫をしています。


構造化とは?

構造化とは、「自分の力で状況を理解し、行動できるように」
空間や手順をわかりやすく示すことです。

特に自閉スペクトラム症(ASD)の支援でよく用いられる考え方として知られています。

・買い物メモがあると、何を買ったら良いかがわかりやすい
・レジの前のテープをみると、「間隔をあけて並ぶ」ことがわかる
・ゴミ袋の色の違いで、捨てるゴミの種類がわかる

など、日常生活の中にも、構造化の要素を持った工夫がたくさんあります。

・文字ではなく、写真や絵カードで予定を伝える
・スケジュールを一覧にし、終わったものから消していく
・パーテーションでエリアを区切って、「活動の目的」を明確にする

つまり、「今何をすべきか」「どこですべきか」という、
活動や場所、時間の迷子を減らす工夫と言い換えることができます。


私の職場の”構造化の例”

私が関わっているご利用者さんに、非常に気持が逸れやすく、
”今、自分が何をしているのか”を見失いやすい人がいます。

そのご利用者さんは、A4サイズのホワイトボードを持ち歩いています。

ボードには、「休けい」「絵を描く」「昼ご飯」など、
1日の行動が書かれたマグネットーシートが貼ってあります。

マグネットシートを「終わったら剥がして箱に入れる」ことで、
今自分が何をしているのかを、見失いにくくなる、
という支援を実施しています。


環境調整と構造化の違い

環境調整と構造化の違いを、
現場目線でまとめてみました。


環境調整構造化
利用者さんが過ごしやすい環境を整える環境や情報を「目に見える形」で整理し、分かりやすくする
広範囲(光、音、人間関係、物理的空間など全て)限定的(視覚的な情報整理が中心)
本人が気づかない部分への配慮もある(あらかじめ照明を落としておく、等)本人が見て、理解し、行動につなげる

つまり、環境調整は大きな考え方で、
構造化はその中の具体的な支援技術の一つと言えます。


現場では両方を組み合わせて考える

実際の支援では、
環境調整か構造化かを分けて考えるより、
両方を組み合わせることが大切です。

というよりも、同じご利用者さんに対しても、
環境調整と構造化支援を同時に行うこともあるので、
明確に線を引けば良いというものでもありません。

私の職場の”組み合わせの実践例”

私の職場のAさんは、
スケジュールに変更があると、
大きな声を出して走り回ってしまいます。

Bさんは、
Aさんの声が聞こえると、
表情が険しくなって自分の顔を叩いてしまいます。

Aさんには、「事前に見通しを伝える」という構造化支援を、
Bさんには、「Aさんに変更を伝える時には別室に移動してもらう」
という環境調整を行っています。


まとめ

環境調整と構造化は似た言葉ですが、意味は少し異なります。

  • 環境調整:利用者さんが過ごしやすい環境を整えること
  • 構造化:活動や空間をわかりやすく整理すること

構造化は環境調整の一部と考えると理解しやすいでしょう。

大切なのは、「どんな支援方法が、ご利用者さんの安心につながるか」
視点を持つことだと考えています。


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勤続15年、生活介護事業所で働く現役の生活支援員です。ケアマネージャー、介護福祉士、小学校の教員免許などを持っています。

ご利用者さんの悩みを言語化したり、わかりやすい言い換えに自身があり、ご利用者さんからは「説明がわかりやすい」「例え話が上手」という評価を頂いています。

ABA(応用行動分析学)をベースにしたアプローチが得意で、「どのように環境を整えていくか」を入口に支援を組み立てています。ABAについては、こちらのサイトが非常にわかりやすいのでおすすめです👇️

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