「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」。
福祉の現場やニュースなどで、よく聞く言葉ではないでしょうか。
ですが、
「何が違うの?」
と聞かれると困ってしまう人も多いかもしれません。
新人の頃の私もその1人。
当時、地元の小学校との交流会で、質問されて焦ってしまいました。
ですが、現場で働くこと15年。
今では、この2つの違いを知ることができました。
今回は現役生活支援員として、
- バリアフリー
- ユニバーサルデザイン
それぞれの違いや特徴について、
できるだけわかりやすくお話しします。
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この記事を読むと
- バリアフリーとユニバーサルデザインの違いがわかります
- 福祉現場でよく使われる意味を整理できます
- 「優劣ではなく、考え方の違い」であることが理解できます
バリアフリーとは?|既存の障壁を取り除く考え方
バリアフリーとは、
「すでにある障壁(バリア)を取り除く」
という考え方です。
例えば、
- 段差にスロープを付ける
- 手すりを設置する
- 音響式信号機を導入する(ぴよぴよ、カッコー)
など。
もともと不便だった部分を、
後から改善していくイメージに近いと思います。
特に福祉の現場では、
- 身体的な障壁
- 制度的な障壁
- 情報的な障壁
- 心理的な障壁
という4つの障壁があるとされています。
ユニバーサルデザインとの違いで大きいのは、
「心のバリアフリー」ではないでしょうか。
目に見える段差だけではなく、
偏見などの“見えない壁”をなくしていこうという考え方も、
バリアフリーには含まれています。
私が生活介護の現場で最も感じるのは、情報的な障壁です。
私が担当しているご利用者さんに、
「スマートフォンで調べた最初の情報を信じ込んでしまう」人がいます。
情報を得る手段があるけれど、得た情報の取扱いにバリアがあるため、
一緒に出典を確認したり、わかりやすく説明し直すなどのサポートをしています。
ユニバーサルデザインとは?|最初からみんなが使いやすい設計
一方、ユニバーサルデザインは、
「最初から、誰にとっても使いやすくする」
という考え方で作られた、製品や環境のことです。
バリアフリーと並べて考えると、
「障害がある人や高齢の人のため」と思ってしまいがちですが、
- 自動ドア
- 大きな文字表記
- 音声案内
- わかりやすいピクトグラム
など、年齢、国籍、障害の有無、荷物を持っている、などに関わらず、
“みんなが使いやすい”を目指します。
ユニバーサル”デザイン”なので、
基本的に「目に見えるもの」であると言えます。
生活介護の現場に落とし込んで考えると、
トイレがわかりやすいかもしれません。
・施設の設計段階から、段差をなくしたり、入口を広く作っておくこと
⇒ユニバーサルデザイン(みんなにとって便利なトイレを設計する)
・既存の手すりでは使いにくさを感じるご利用者さんのために、置き型の手すりを追加で設置すること
⇒バリアフリー(”手すりが使いにくい”という身体的なバリアを解消している)
「特定の誰か」への配慮か、「みんな」への配慮か
個人的にわかりやすい違いだと思っているのがここです。
バリアフリーは、
「障壁を感じている特定の誰か」
への配慮に近い考え方です。
例えば、
- 車椅子を利用している人のためのスロープ
- 聴覚障害のある方への筆談やメッセージアプリ
- 感覚過敏がある人のためのカームダウンスペース
など。困っている人の”困りごと”に対して、
ピンポイントで必要な支援や環境調整を行うイメージです。
一方でユニバーサルデザインは、
「すべての人」
に配慮する考え方です。
つまり、
「特定の誰かだけが使いやすい」ではなく、
“できるだけ多くの人が自然に使いやすい”状態を目指します。
バリアフリーとユニバーサルデザインは「優劣」ではない
ここは、とても大切だと思っています。
バリアフリーとユニバーサルデザインは「優劣」ではありません。
生活支援員として、現場はとにかく「思い通りに行かないこと」の連続です。
元も子もない言い方になってしまいますが、
「ユニバーサルデザインだけど、使いにくさを感じる」
ということが実際にあります。
決して既存のデザインを否定したいわけではないんです。
ですが、階段横のスロープが長すぎて、
ご利用者さんが途中で疲れて登れなくなった、
という状況を経験したことがあります。
ですが、
ユニバーサルデザインも、バリアフリーも、
根底にあるのは、
「誰かが困らないようにしたい」
という“やさしさ”だと考えています。
まとめ|違いを知ることで、支援の見え方も変わる
バリアフリーとユニバーサルデザインには、
- 既存の障壁を取り除くか
- 最初から使いやすさを考えるか
という違いがあります。
また、
- 特定の誰かへの配慮
- みんなへの配慮
という方向性の違いもあります。
ですが、どちらが上・下という話ではありません。
どちらも、
「その人らしく安心して暮らしやすくなること」
を目指した素晴らしい考え方です。
福祉の現場でも、この違いを知ることで、
「今、自分たちはどんな配慮をしているのか」
を考えるきっかけになるかもしれません。
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勤続15年、生活介護事業所で働く現役の生活支援員です。ケアマネージャー、介護福祉士、小学校の教員免許などを持っています。
ご利用者さんの悩みを言語化したり、わかりやすい言い換えに自身があり、ご利用者さんからは「説明がわかりやすい」「例え話が上手」という評価を頂いています。
ABA(応用行動分析学)をベースにしたアプローチが得意で、「どのように環境を整えていくか」を入口に支援を組み立てています。ABAについては、こちらのサイトが非常にわかりやすいのでおすすめです👇️






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