「待つ」が苦手なご利用者さんへの支援|まずは理由を考えてみる

生活支援員のための”見通し支援”
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生活介護の現場では、
「待つことが苦手」という困りごとがある、
ご利用者さんに出会うことがあります。

このカテゴリでも、見通しを持つことが苦手なご利用者さんの支援として、
ルーチンタイマーというアプリを紹介しました。

今回は、「待つための支援」ではなく、
「なぜ待つことが苦手なのか」という視点で、
私なりの考えを書いてみようと思います。


この記事を読むと

・なぜ「待つこと」が苦手なのか、理由を考えるきっかけになります
・ご利用者さんの困り事にあったアプローチの大切さがわかります
・現場歴15年、現役生活支援員の「現場観」を知ることができます


「待つ」は意外と難しい

多少の個人差はありますが、
私たちは普段、何気なく待つことができています。

病院の待合室。
コンビニのレジ。
銀行の窓口。

でも、よく考えてみると、
待つためには様々な情報が必要です。

  • 自分の順番が来ることを知っている
  • 待てば目的が達成できるとわかっている
  • どれくらい待つのか想像できる
  • 待ち時間の過ごし方がわかる

私たちは当たり前のようにやっていますが、
実はかなり高度なことなのかもしれません。


「待てない」の理由は一つではない

現場で支援をしていると、
同じように「待てない」と見えるご利用者さんの行動でも、
その背景は人によって違うように感じます。

例えば、

・待ち時間に何をして良いかわからない人
・本当に自分の順番が来るのか不安な人
・どれくらい待つのか想像しにくい人
・待つことよりも衝動が勝ってしまう人

支援者からは、どれも「待てない」
という行動に見えるかもしれません。

ですが、アプローチの仕方が、
それぞれ変わってくることに注意が必要だと感じています。


【事例1】待ち時間に何をして良いかわからない

私が関わっているご利用者さんに、
待つことが苦手な人がいます。

ですが、そのご利用者さんは、
「休憩すること」ができます。

私たち支援者にとっては、
結果的に同じような結果になる行動でも、
ご利用者さんにとっては、違いがあるのかもしれません。

対応にこんな工夫をしています

「待って下さい」ではなく、
「休憩して下さい」と伝えるようにしました。

また、”残り時間が見えるタイマー”を併用し、
いつまで休憩するのかを、
視覚的に共有できるような工夫をしています。


【事例2】本当に自分の番が来るのか不安

同じく私が関わっているご利用者さんに、
送迎時間になると、自分で自分の顔を叩いてしまう人がいます。

何かに不安を感じている、
という印象を受ける行動です。

対応にこんな工夫をしています

ご本人に発話がないため、最初は「帰りたくないのかな」という見立てをしていました。

ですが、様々な声かけを試す中で、
ご本人が最も落ち着いたのは、

「ちゃんと帰れます」という内容の声かけでした。


「待てない」ではなく「何に困っているのか」

15年ほど、現場でご利用者さんと向き合ってきましたが、
「待てない」の背景には、様々な困り事がある事に気づくことができました。

待ち時間の過ごし方なのか。
未来が見えない不安なのか。
時間の見える化が必要なのか。

理由が違えば、
支援の方向性も変わってくるかもしれません。


まとめ

「待てるようになりたい」というニーズに応えるための方法は、
1つではありません。

ルーチンタイマーなど、待つための方法を学ぶことと併せて、

「この人は何に困っているのだろう。」

という視点から考え始めることで、
支援の糸口が見えてくることもあります。


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勤続15年、生活介護事業所で働く現役の生活支援員です。ケアマネージャー、介護福祉士、小学校の教員免許などを持っています。

ご利用者さんの悩みを言語化したり、わかりやすい言い換えに自身があり、ご利用者さんからは「説明がわかりやすい」「(個別支援計画の)言葉が丁寧」という評価を頂いています。

ABA(応用行動分析学)をベースにしたアプローチが得意で、「どのように環境を整えていくか」を入口に支援を組み立てています。ABAについては、こちらのサイトが非常にわかりやすいのでおすすめです👇️

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