生活支援員として働いていると、ご利用者さんが、
どのような障害福祉サービスを利用しているのかを知る機会があります。
例えば、生活介護事業所に通いながら、
自宅では別の障害福祉サービスを利用している方もいます。
生活介護事業所では、すべての障害福祉サービスを、
直接提供しているわけではないので、
”サービスの名前は知っていても具体的な支援内容まではよく知らない”
ということもあります。
今回取り上げるのは、「行動援護」と「同行援護」です。
どちらも名前が似ているため、
違いが分かりにくいサービスかもしれません。
そこで今回は、行動援護と同行援護の対象者や支援内容、
2つのサービスの違いをわかりやすく解説します。
今さら聞けないと思っていた方も、ぜひ一緒に確認していきましょう。
この記事を読むと
・行動援護と同行援護の違いがわかります
・ご利用者さんの生活の全体像を掴むきっかけになるかもしれません
・生活介護以外の福祉サービスについて理解することができます
行動援護と同行援護の違いを簡単に説明すると?
まずは、行動援護と同行援護の一番の違いは、
「判定する”ものさしの違い”」です。
行動援護は、”障害支援区分認定調査”に基づき、
同行援護は、”同行援護アセスメント表”に基づいて、
それぞれ支給決定されます。
障害支援区分認定調査に関しては、
生活支援員として関わることも多いので、
詳しくはこちらの記事をご覧ください👇️
行動援護とは?
行動援護の対象となるのは、障害支援区分が区分3以上で、
障害支援区分の認定調査項目のうち、
行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上の人です。
認定調査に立ち会った事がある人であれば、
「突発的な行動」について質問されることがあったかと思います。
例えば、外出先で突然走り出してしまう、
危険な状況を理解することが難しい、
予定の変更によって強い不安が生じてしまうなど、
人によってさまざまな困難があります。
こうした状況に対して、ご本人を理解したうえで、
危険を予測し、必要な支援を行うのが行動援護です。
なお、強度行動障害のある方への支援と深く関係するサービスですが、
強度行動障害という判断だけで利用が決まるわけではありません。
強度行動障害については、こちらの記事で詳しく解説しています👇️
行動援護の支援内容
わかりやすく説明するために、”急な予定変更があると、
突発的に走り出してしまう人”を例に説明します。
① 予防的な対応
出かける前に、「いつ出かけるか」「どこに出かけるか」などを、
本人にわかりやすい形で伝えます。
⇒急な予定変更が起きないような工夫と配慮
② 危険を回避するための対応
出かけた先で、アクシデントが起きそうな場所を予測し、
「予定外の事態が起きそうな場所を避ける」
「走り出してしまった時の安全確保」などを行います。
⇒行動する際に本人や周囲の人に危険が生じないようにする支援
③ 帰宅後のアフターフォロー
行動援護では、外出時のサポートだけでなく、
当日の行動の振り返りや記録、次回へ向けた調整を行います。
⇒本人の状態や必要な支援に応じて、生活全般をサポートする
同行援護とは?
同行援護とは、視覚障害によって移動することが難しい人のために、
視覚から得られない情報を補いながら、
本人が安心して外出できるように支援するサービスです。
同行援護の対象となるかの判断には、
「同行援護アセスメント調査票」が使用されます。
一定の条件を満たせば、
障害支援区分の認定を受けていない方でも、
利用できる可能性があります。
同行援護の具体的な支援内容
同行援護では、主に次のような支援を行います。
① 移動に必要な情報の提供
外出先で本人が周囲の状況を把握できるように、
段差や階段の位置、周囲の状況などを伝えます。
⇒本人が周囲の状況を理解できるように伝える
② 移動の援護
本人が安全に移動できるように、
道路や駅構内での移動をサポートします。
⇒身体的な介助や、関係機関への協力要請など
③ 代読・代筆
移動のサポートだけでなく、お店のメニューを読み上げなど、
文字情報の伝達をサポートします。
⇒情報の面からもサポートする
生活支援員として知っておきたいこと
生活介護事業所で働いていると、
これらのサービスを直接提供する機会は少ないかもしれません。
しかし、ご利用者さんの生活は、
事業所に通っている時間だけで成り立っているわけではありません。
自宅で過ごす時間や、休日の外出、買い物など、
さまざまな場面で複数の障害福祉サービスを利用している方もいます。
だからこそ、生活支援員として、
自分の職場で提供しているサービス以外にも、
目を向けておくことは大切だと思います。
ケース会議などで、他職種との情報共有や連携を考えるうえでも、
基本的な知識は役立ちます。
まとめ|行動援護と同行援護は目的の違いを理解しよう
今回は、行動援護と同行援護の違いについて解説しました。
どちらも障害のある方の生活や、
社会参加を支える大切なサービスですが、
対象者や支援の目的には違いがあります。
生活支援員として働いていると、
普段の業務では直接関わらないサービスについて、
学ぶ機会が少ないなと感じることがあります。
今回の記事が、行動援護と同行援護の違いを理解するきっかけになればうれしいです。
ここまでの記事を読んでいただいて、生活支援員の仕事に興味が湧いてきた人や、自分に合った職場環境を探したいと思った人のために、求人票の見方に関する記事をご用意しています👇️
参考資料
制度の対象者やサービス内容については、以下の公的資料を参考にしています。
※実際の利用可否や支給決定は、個別の状況を踏まえて市町村が判断します。制度の詳細や運用については、自治体の窓口にも確認してください。
生活支援員として約15年、生活介護事業所でご利用者さんの日々の暮らしを支える現役の支援員。介護福祉士・ケアマネジャー・教員免許を保有し、強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)を修了した現在は、ABAに関する学びを深めている。
支援では、ご利用者さんの行動だけで判断せず、その背景にある思いや理由を考えることを大切にしている。また、支援員自身も悩みや迷いを抱える一人の人間であることを忘れず、周囲を支える立ち回りを得意としている。
ブログ「福祉マスター」では、現場経験を活かして、日々の支援に役立つアイデアや業務の工夫を発信。メインテーマは「仕事と暮らしのベストバランス」。
誰かを支える仕事だからこそ、支援員自身も自分を大切にしてほしい。そんな思いを込めて、頑張る生活支援員さんの支えになる情報を届けている。






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