車椅子でスロープを下るときは前向き?後ろ向き?|生活支援員が迷わない判断基準

生活支援員のための”車いす支援”
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「スロープは前向きで下りる?それとも後ろ向き?」

車椅子を利用しているご利用者さんがいる場合、
生活支援員として、
一度は悩むポイントではないでしょうか。

実際に現場では、
前向きで下りている人もいれば、
後ろ向きで下りている人もいます。

この記事では、生活支援員として15年以上車いす介助をしてきた経験をもとに、

  • 前向き・後ろ向きの判断基準
  • 後ろ向きで安全に下りるコツ
  • 不安を感じたときの考え方

を、実践的な視点で解説します。


この記事を読むと

・後ろ向きで介助する方法について知ることができます
・基本の動作について再確認できます
・判断の基準について知ることができます


迷ったら「後ろ向き」が基本

まず結論です。

スロープは、基本的に後ろ向きで下りることをおすすめします。

実際にやってみるとわかるんですが、
椅子に座った状態で、座面を前に傾けてみて下さい。

個人差はありますが、かなり怖さを感じませんか?

前向きで下りると、ご利用者さんが前のめりに倒れてしまうかもしれません。

介助する側も、スロープが急になるほど負荷が大きくなり、
「止めきれないかもしれない」という不安につながります。

一方、後ろ向きで下りる方法なら、支援者自身が体全体でブレーキをかけられるため、安心感が大きく違います。


前向きで下りてもよいケースは?

もちろん、前向きが絶対にダメというわけではありません。

例えば、

  • 車いすに介助ブレーキが付いている
  • スロープがかなり緩やか
  • ご利用者さんと十分に意思疎通ができる
  • 支援者自身が安全にコントロールできる

こうした条件がそろえば、前向きで下りることも可能です。

ただし、この条件はかなり限定的です。

現場では、
「少し怖いな…」
「もし勢いがついたら危ないかも」
と感じる場面は少なくありません。

その時点で、無理に前向きで下りる必要はありません。


少しでも怖いと感じたら、ためらわず後ろ向きへ

介助技術で一番大切なのは、
速さでも精度の高さでもなく、
「支援者が安心して介助できること」
だと私は考えています。

仮にご利用者さんが、
「前向きでも大丈夫」と言われたとしても、
少しでも不安を感じたら、
ためらわず後ろ向きで下りましょう。


私は「どのくらいの傾斜で怖くなるのか」を実験してみました

実際に私は、
「どれくらいの傾斜になると怖さを感じるのか」
を実験したことがあります。

傾斜を1度ずつ大きくしていき、
車椅子に座って体験してみましたが、
かなり早い段階で不安を感じました。

この実験記事では、支援者がどのタイミングで危険を感じやすいのかも紹介していますので、あわせて読んでいただくと判断基準がイメージしやすくなると思います。


後ろ向きで安全に下りるコツ

体格や扱う車椅子の種類にもよるので、
一概に「これが正しい」とは言い切れませんが、
私の介助方法をご紹介します。

ポイントは、後ろ向きで下りるときに、
腕の力だけに頼らないことです。

① 軽く前傾姿勢をつくる

まず、普段車椅子を介助している立ち位置から、
「靴1足分」くらい後ろに立ちます。

そして、体を少し前に倒します。

こうすることで、重心が安定し、
前から押される感覚(車椅子が迫ってくる感じ)が少なくなります。


② 足を大きく後ろへ出す

足は小刻みではなく、
大股で一歩ずつ後ろへ下がります。

「動いているのは、左右どちらかの足だけ」
を意識するのがコツです。


③ かかとで体重を支えるイメージ

下りるときは、
下げた方の足のかかとで、
地面を押さえるように体重を支えるイメージがおすすめです。

車椅子の重さを体全体で受け止め、かかとで支える。

もし介助用のブレーキがついていれば、
併用しながらゆっくりと下りて下さい。


④ 腕は力が入りやすい角度でOK

「肘は伸ばす?伸ばさない?」

という疑問があるかもしれません。

伸ばしていると車椅子が制御しにくい、
というのが一般的な考えですが、
曲げると力が入れにくいというのも事実です。

自分が一番力を入れやすい角度に軽く曲げていた方が、
結果的に安心してコントロールできると思います。


イメージは「車いすを下げる」ではなく「自分も一緒に下りる」

ここが一番大切なポイントです。

後ろ向き介助では、
「車いすを後ろへ下げる」というより、

「自分が大股で後ろへ下りながら、車いすごと一緒に下がる」

という感覚です。

後ろ向き介助は、進行方向が見えないことへの不安などもありますが、
とにかく焦らずゆっくりと介助をすることが大事だと考えています。


まとめ|安全な介助は「慎重すぎるかな?」くらいでちょうどいい

車椅子の介助では特に、
「これくらいなら大丈夫かな」という判断よりも、
「少し慎重すぎるかな?」くらいの判断の方が、
安全につながります。

生活支援員が安心して介助できることは、
そのままご利用者さんの安心にもつながります。

少しでも怖いと感じたら、
ためらわず後ろ向きを選びましょう。

慎重になりすぎるくらいで、ちょうどいい。

それくらいの意識で介助することが、
事故を防ぐ一番の近道だと私は考えています。


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現場歴15年の現役生活支援員で、介護福祉士の資格を持っています。

一人ひとりの話をじっくり聴くのが得意で、ご利用者さんの悩みを言語化したり、やさしく言い換えることに自信があります。

ありがたいことに、ご利用者さんやご家族さんから「説明が丁寧」「話の要点を整理してくれて助かる」と高評価を頂いています。

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