強度行動障害支援における環境調整とは?現場で感じる理想と現実

強度行動障害を学ぶ
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私は最近、
強度行動障害の支援の土台は、
「環境調整」であると学びました。

私もその考え方には賛成です。

実際に、刺激を減らすことで、
ご利用者さんが落ち着いて過ごせるようになる場面を、
何度も経験してきました。

しかし、現場で働いていると、
こんなふうに感じたことはないでしょうか。

「言っていることはわかる。でも、うちの施設では難しい…。」

今回は、現役生活支援員として私が感じている、
「環境調整の理想と現実」について、
私なりの考えを書いてみたいと思います。


この記事を読むと

・環境調整の大切さについて理解することができます
・理想と現実には差があることに気づくことができます
・工夫次第で、その人に適した環境を作れる可能性について知ることができます。


環境調整は大事な選択肢の1つ

まず最初にお伝えしたいのは、
環境調整は、
強度行動障害支援においてとても大切な考え方だということです。

そして、私は学びを深める中で、
「環境」を大きく3つに分けることで、
整理しやすくなるのかなと感じています。

物理的な環境

・音や光
・湿度や温度
・目に入る情報量

など、人間の5感に関するものです。

時間的な環境

・次に何をするか
・今は何の時間か

など、「見通し」に関するものです。

人的な環境

・どうやって気持ちを伝えるか
・どうやって伝えてもらうか

など、人と人との関わりに関するものです。

まずは、今困っているご利用者さんが、
どの環境を整えれば安心できるのかを考えるのが、
大切ではないか、と考えています。


現場には変えられない環境もある

一方で、現実の現場には、
支援者の工夫だけでは変えられない環境もあります。

例えば、

  • 活動スペースは大部屋しかない
  • 個室や静養室が常に空いているわけではない
  • 他のご利用者さんも同じ空間で過ごしている
  • 常にマンツーマン支援が可能とは限らない

研修では、
「刺激を減らしましょう。」
「環境を整えましょう。」
と学びました。

もちろん、その考え方は大切です。

でも、現場では
「整えたくても整えられない」
という場面も決して珍しくありません。


環境調整は「現実的な落とし所を探す」こと

生活介護事業所は、ある程度の集団生活の場です。

さらに、個室の数や間取りといった
「ハード面(建物の構造)」を急に変えることはできません

また、限られた「人員配置」の中では、1人のご利用者さんに、
ずっと付きっきりになることも困難な場合があります。

完璧な環境調整をやろうとすればするほど、
「難しい」が積み重なってしまうかもしれません。

だからこそ、私は「0か100か」ではなく、
「今あるハードと人員で、どう工夫するか」
という現実的なアプローチが重要だと考えています。


私の職場の実践例

これはあくまでも一例です。
こうすれば必ず上手くいくわけではありませんが、
1つの参考にしてみて下さい。

ポップアップテント

衛生面で人が過ごせる場所で、
可能であれば換気ができる場所であれば、
「落ち着くための空間(カームダウンスペース)」
として利用できるかもしれません。

私が関わっているご利用者さんに、
折り畳めるポップアップ式のテントを使っている人がいます。

屋外用と屋内用を用意しているので、
その時の気分に合わせて、
落ち着く場所を選ぶことができています。

※その空間ならではの危険があることに注意が必要です。

イヤーマフなどのグッズを活用する

着用に抵抗がなければ、
イヤーマフや遮光メガネを使ってもらうのも、
過ごしやすい環境づくりとして有効だと感じています。

私が直接支援しているわけではありませんが、
施設のご利用者さんに、
「気持ちが不安定な時に、イヤーマフをつけて頭からバスタオルをかぶる」人がいます。

ご家族さんからのアイデアで、
本人の調子を見ながら実施しています。

※全てのご利用者さんに有効ではないことに注意が必要です


まとめ

私は、環境調整とは、
「環境の種類を整理し、現実的な工夫に落とし込むこと」
だと考えています。

現実的な問題として、
「その人らしい暮らしのために、工夫しきれない部分がある」
のも事実です。

大切なのは、100点満点の環境を目指すのではなく、
本人にとって少しでも過ごしやすい環境を、一緒に考え続けること。

私は、それが現場でできる環境調整だと考えています。

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