ABA(応用行動分析学)とは?現役生活支援員がわかりやすく解説

強度行動障害を学ぶ
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「ABA(応用行動分析学)って、何なの?」

強度行動障害支援者養成研修のベースとなる考え方である、
ABA(応用行動分析学)

名前だけ聞くと難しそうですが、
実は私たち支援員が日頃から無意識にやっていることを、
整理して考えるための学問です。

「〇〇とは?」と聞くと、
専門用語満載の記事を想像するかも知れませんが、

今回は、現場歴15年、現役生活支援員の立場から、
「予備知識ゼロからでも、理解しやすいように」
ABAについて徹底的に噛み砕いて解説していきます。


この記事を読むと

・ABA(応用行動分析学)がどんなものか、おおまかにわかります
・新人研修などでも活かせる”説明スキル”が身に付きます
・決して「特別な学問」ではないことを感じることができます


ABA(応用行動分析学)とは?

一言でいうと、
「なぜ、その行動が起きたのかを考える学問」です。

ここで1つだけ覚えておいてほしいのは、
「主観ではなく、客観的な情報で本人を捉える」という視点です。

”客観的な情報”というのは、
個人の感情、偏見、思い込みを排除し、
誰が見ても同じ事実やデータとして確認できる情報のことを言います。


ABAを身近な例で考えてみよう

例えば、あなたがある研修を受けたとして、
居眠りをしてしまったとします。

この時に、
「あなたの努力が足りなかったんだ」
「そもそもこの研修を受ける資格がないんだ」
なんて言われたら、イラッとしませんか?

ABAでは、居眠りという結果を、
”本人の努力不足”のせいにはしません。

「研修会場の湿度・空調が眠気を誘いやすかった」
「仕事が忙しく、前日の睡眠時間が普段より3時間短かった」

このように、環境や客観的なデータで、
「なぜ”居眠り”という結果が起きたのか」を、
分析していきます。

現場の業務に置き換えると

ご利用者さんの行動の原因を、
「目に見えない感情」に求めてしまうと、
”原因探しの無限ループ”に陥ってしまうことがあります。

例えば、自分で自分の顔を叩いているご利用者さんがいたとします。

「どうして顔を叩いているの?」
『イライラしているに違いない』
「どうしてイライラしているとわかるの?」
『顔を叩いているからだよ』
「どうして顔を叩いているの?」

これでは、いつまで経っても支援の糸口が見えてきません。

イライラという、
目に”見えない感情”ではないアプローチを考えるのが、
ABAだと考えてもらえるとわかりやすいのではないでしょうか。


ABAの基本「ABC分析」

私もまだまだ学びの途中なので、
「これはこうです」という正解をお伝えすることはできませんが、

現場の先輩として、
ABAの基本となる考え方を書いてみようと思います。

ABAでは、行動を3つに分けて考えます。

・A(Antecedent:きっかけ)
⇒どんな刺激や出来事があった?

・B(Behavior:行動)
⇒どんな行動だった?

・C(Consequence:結果)
⇒その後どうなった?

ABAの基本は、
きっかけ(A)と、結果(C)を分析して、
望ましい行動(B)を増やしていくことです。


実際の生活介護で考えてみる

ここからは、私が経験した事例をもとに書いていきます。
(説明のために、詳細は省いています)

Aさんは、発話がありません。
創作活動の時間に、紙をちぎる行動をしている時に笑顔が見られます。

支援者が「おしまいです」と声を掛けたとたん、数メートル離れていても、
音が響くほど自分の顔を叩き始めてしまいました。

支援者が驚いてしまい、「創作活動を続ける」選択をした所、
顔を叩く行動は収まりますが、再び「おしまいです」と声を掛けると、
顔を叩く行動が再開してしまいます。

これを、「ABC分析」に落とし込んでみましょう。

・A(きっかけ)
⇒支援者が「おしまいです」と声をかけた

・B(行動)
⇒顔を叩く

・C(結果)
⇒創作活動が続けられた


ここでABAは、
「この行動(B)には、何か役割(機能)があったのかもしれない」
と考えます。

今回は、「ABAについてわかりやすく伝える」ことがメインですので、
役割の詳細については書きませんが、

A「イライラしていた」
B「顔を叩いた」
C「辞めなくて済んで嬉しかった」

という、感情では分析しない。
と考えてもらえるだけでも大丈夫です。


ABAは万能ではない

正直に言うと、
ABAを知ったからといって、
急に支援が上手くなるわけではありません。

ご利用者さんの行動のすべてが、
理解できるようになるわけでもありません。

それでも私がABAを学ぶのは、

行動の理由を、
本人の”性格”や”やる気”のせいにしなくなり、
それだけで、お互いのイライラや負担が減るから、
だと考えています。


まとめ

ABA(応用行動分析学)は、
「なぜ、その行動が起きたのかを整理して考えるための道具」です。

確かに、非常に学び応えのある学問だと思いますが、
最初から完璧に理解しようとしなくても大丈夫。

まずは、
「この行動の前に、何があったんだろう?」
と考えてみることから始めてみてください。

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