現場で働いていると、
ご利用者さんに”挑戦してもらう機会”があります。
そんな時、
「失敗したらどうしよう」
という言葉を口にするご利用者さんもいらっしゃいます。
そんな時、生活支援員の、
前向きな声かけが力になることもあります。
ただ、現場で15年働いて感じるのは、
「失敗が怖い」という気持ちの背景は、人によって違う
ということです。
今回は、私が実際に現場で意識している「失敗が怖いご利用者さん」への、具体的な声かけ例や、施設単位での雰囲気づくりについてご紹介します。
この記事を読むと
・失敗が怖いと感じてしまうご利用者さんへの関わりのヒントが得られます
・人それぞれに怖いと感じる背景があることに気づけます
・声かけの具体例や、施設単位での雰囲気づくりについて知ることができます
「失敗が怖い」背景は、一つではない
ご利用者さん一人ひとりに、それぞれの人生があります。
「失敗」そのものの捉え方や、
「なぜ怖いと感じるか」という背景は個人差があります。
例えば、
- 過去に失敗して叱られた経験がある
- 「間違えてはいけない」と教わってきた
- 「できない人」と思われたくない
- 失敗して笑われる人を見て、「自分は笑われたくない」と感じている
など、人によってさまざまです。
私が実践している声かけ例
私は、業務として、
「学び✕レクリエーション」という意味の、
”まなレク”を主催しています。
ある意味では、
「失敗したらどうしよう」という気持ちが、
もっとも起こりやすい活動だと思っています。
① (どんな意見にも)素晴らしい!
これは、私が最もよく使う言葉です。
正解でも、不正解でも、
見当外れな意見でも、
出題とは無関係な質問でも、
「素晴らしい!」と答えます。
(実際に素晴らしいと思っているので)
・素晴らしい! 正解です
・”答えたこと”が何より素晴らしい!
・素晴らしい質問ですね!
正解か不正解かに関わらず、
「やってみたら、”素晴らしい”と返ってくる」
そう感じてもらえることで、
少しでも「挑戦してみようかな」と思える空気を作れたら、
と考えています。
② 慎重になれるのも良いことです
個人的には、
「怖いと思うこと」そのものを、
しっかりと受け止めることも大事だと思っています。
「頑張ってほしい」という気持ちが強すぎるあまり、
”やるか、やらないか”ではなく、
”やるか、やるか”の2択になってしまうと、
ご利用者さんも困ってしまうかもしれません。
やる自分も、やらない自分も肯定してくれる。
そんな関係性が、結果的に「やってみよう」という気持ちを、
後押しすることになるのかもしれません。
③ 一緒にやってみましょう
これもよく使っている言葉の1つです。
「1人でやるのは怖い」という場合には、
不安の軽減になると思います。
また、「やってみる」という言葉を使うことで、
「あくまでも私(支援者)が提案したこと」という、
責任の重さを分散できるかな、と考えています。
伴走者がいることで、
行動のハードルが下がるご利用者さんには、
有効な声かけかもしれません。
施設単位で「成功者だけを褒めない」雰囲気づくり
個人での工夫も大事ですが、
施設単位での雰囲気づくりも大切です。
人間誰しもあると思うんですが、
「成功した人」は褒めやすいです。
例えば、レクリエーションで「早押しクイズ」をすると、
・正解した人
・ポイントを多く取った人
・難しい問題に答えた人
は、褒めやすいんです。
ですが、ここで
「成功した人だけを褒める」雰囲気を作ってしまうと、
”失敗したらどうしよう”という気持ちを加速させてしまうかもしれません。
施設単位で
「結果ではなく”プロセス”を褒める雰囲気づくり」
を心がけることも大切だと考えています。
「失敗しないこと」が正解とは限らない
ここで、少し個人的な考えをお話しします。
私は、失敗の反対は、「成功」ではなく「何もしないこと」
なのではないか、と感じています。
もちろん、
無理に挑戦を勧めることが正しいとは思いません。
ですが、
「失敗しないように」
「傷つかないように」
と支援者が先回りしすぎることで、
新しい経験そのものを失ってしまうこともあります。
実際、福祉の現場では、
「成功体験を積むこと」が大切にされています。
それ自体は、とても重要なことです。
ただ、「失敗したけど、挑戦できた」という経験も、
同じくらい大切なのではないでしょうか。
おわりに|「失敗しても大丈夫」を伝える支援
失敗を怖がってしまうご利用者さんへの関わりに、
絶対の正解はありません。
だからこそ、
「どうすれば挑戦してもらえるか」だけではなく、
「失敗しても大丈夫と思える環境を作れているだろうか」
という視点が、
ご利用者さんの「やってみよう」に、
つながっていくのかもしれません。
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勤続15年、生活介護事業所で働く現役の生活支援員です。ケアマネージャー、介護福祉士、小学校の教員免許などを持っています。
ご利用者さんの悩みを言語化したり、わかりやすい言い換えに自身があり、ご利用者さんからは「説明がわかりやすい」「(個別支援計画の)言葉が丁寧」という評価を頂いています。
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