強度行動障害支援者養成研修とは?現役生活支援員が修了者目線で解説

強度行動障害を学ぶ
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生活介護事業所で働いていると、
「どうやって対応したらいいの?」と、
感じてしまうご利用者さんに出会うことがあります。

自傷、他害、物を壊してしまうなど──
いわゆる“強度行動障害”と呼ばれる状態です。

こうした支援に向き合うための専門研修が、
強度行動障害支援者養成研修です。

今回は、強度行動障害支援者養成研修を修了した私が、
「実際どんな研修なのか?」「現場で役に立つのか?」を、
現役生活支援員目線で、リアルに解説します。


この記事を読むと

・強度行動障害支援者養成研修について理解することができます
・どんな研修だったか、修了者目線で知ることができます
・筆者がどのように現場に活かしているか、リアルな意見を知ることができます


強度行動障害支援者養成研修とは?

簡単に言うと、
「強度行動障害の状態にある方に、
専門的な知識と適切な支援手法が提供できるようになるための研修」です。

介護福祉士やケアマネージャーのように、試験があるわけではありません。
一定のカリキュラムを受講することで得られる、「修了資格」です。

「基礎編」と「実践編」に分かれていて、
両方を修了すると、
現場で専門職として働くことができるというイメージです。


研修で学んだ主な内容

実際の研修では、以下のような内容を扱います。
記憶が少し曖昧な部分がありますので、
あくまでも参考程度に考えてほしいです。

詳しい内容は、主催者や各都道府県の担当にお問い合わせ下さい。

基礎編(6時間✕2回)

途中休憩を挟んで、9時から16時位まで研修していたと思います。

6人位のグループに分かれ、

・強度行動障害の基礎理解
・制度や支援技術の基礎的な知識
・情報収集や、記録の仕方
・固有のコミュニケーション方法の理解
・背景にある特性の理解(感覚過敏や鈍麻など)

といった内容を学びました。

全て講義形式だったわけではなく、
演習(グループワーク)と講義が半々くらいでした。

全くの余談ですが、
講師の先生が、機械に詳しくなかったらしく、
「誰か、プロジェクターを操作して」
と言われて、対応したのがいい思い出です(笑)

実践編(6時間✕2回)

研修時間は基礎編と変わりませんでしたが、
講義よりも演習がメインでした。

「支援手順書」の作り方や、
その手順書を使ったロールプレイが中心でした。

グループ内で、
・ご利用者さん
・支援者
など、それぞれの役割を決め、
「見通し(全体の流れ)の伝え方」
「刺激が少ない環境の提供」
といった、実践的な内容を各グループで発表し合いました。


現場でどう活きる?(正直な話)

ここが一番リアルな部分です。
結論から言うと──

“ロールプレイでやったとおりに行った試しはない”です。

修了証をもらった瞬間から、何かが劇的に変わることもありません。
ですが、私の中で確実に変わったものがあります。

① 「見方」が変わった

私の中で、
「困った人ではなく、”困っている人”という視点で捉える」
「行動問題は、環境的な条件が揃った時に発生しやすい」
という考え方が、とても印象的でした。

正直、怖いものは怖いと感じてしまいますし、
「そう考えれば全て納得できる」というわけではありませんが、

「性格だからと考えず、行動の原因を探してみよう」
と思えるようになったのは、この研修のおかげだと思います。


② ABA(応用行動分析学)に興味が湧いた

強度行動障害支援者養成研修には、
ABA(応用行動分析学)の考え方が含まれています。

私はこの研修の後、ABAに興味を持ち、
自分で書籍を購入して、独学で学びを深めるようになりました。

このブログの記事でも、ABAの考え方をベースにした記事が多いです。


現役支援員として感じたリアルな感想

正直に言うと、最初は
「加算の要件を満たすための研修じゃないの?」
と思っていました。

でも実際に現場に出ていると、
「ご利用者さんを理解するための手段が増えた」
という実感があります。

ご利用者さんの行動が問題になったときなど、
「客観的な事実を集めて、分析してみませんか?」
という提案ができるようになったのは、
個人的に大きいと思っています。


向いている人・向いていない人

実際に受けてみて感じたんですが、アプローチの方法が独特です。

そのため、本人の「仕事観」や「支援に対する考え方」によって、
向いている人と向いていない人がはっきりと分かれるのかもしれないな、と感じています。

こちらも、完全に私の主観ですので、
参考程度に読んでみて下さい。

向いている人

・「なぜ?」を分析するのが好きな人
・小さな工夫や「環境づくり」が好きな人
・技能の習得が好きな人

⇒客観的な情報を集めて支援を組み立てていくので、詰め将棋のようなロジカルなゲームが好きな人には、取り組みやすいと感じるかもしれません。

向いていない人

絶対に受けてはいけない、というわけではありませんが、

・ご利用者さんを「感情」で捉えるのが得意な人
・その瞬間の空気で支援を組み立てるのが得意な人
・即効性を求めている人

また、身体的な暴力・自傷行為に対して恐怖心が強い人には、
修了後の業務に負担が大きすぎるかもしれません。

自分の感情を大切にしながら、受講を検討してほしいです。


まとめ

強度行動障害支援者養成研修は、派手な資格ではありません。

でも現場にいる人ほど、
「あ、これもっと早く知りたかった」
と感じる内容が詰まっているように感じます。

支援はセンスではなく、構造で安定する。

この視点を持てるだけでも、
現場の見え方はかなり変わります。

個人的には、機会があれば受けて損のない研修だと感じています。

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